アニメ呪術廻戦 第22話 起首雷同のレビューでございます。
京都姉妹校交流編が終了し、ある意味で日常廻でした。しかし、日常廻といっても、彼らの日常は、身を危険にさらして呪霊と戦うこと。
今回はとある呪霊の事件をきっかけに、伏黒の過去に少しだけ踏み込んでいく、伏黒廻となりました。
なお私は『呪術廻戦』もAmazon Primeで見逃し配信視聴勢です。
今期は他にも『ワールドトリガー』『進撃の巨人』と見ごたえの多い作品が多いので、Amazon Primeでなかなか楽しいアニメライフをエンジョイしております。
あらすじ
自動ドアが閉まらないといった苦情を述べた3人が立て続けに死亡する。その事態に、虎杖、釘崎、そして、伏黒の三人が当たることになる。
3人の共通の知人であり、同じ中学校だった人物に、調査に行くも、既にその人物も亡くなっており、家の鍵が開いているのにドアが開かないと言った異常に見舞われているということが発覚した。
手掛かりを失った虎杖たちは、しぼうした人の通っていた中学校を訪れる。
そこで、伏黒がその中学校の卒業生だったという衝撃の事実が発覚する。後輩曰く、ヤンキー、半グレは皆、伏黒にボコボコにされていたという。
学校に長くいるという用務員に話を聞けば、死亡した人は『八十八橋』でバンジージャンプをし、翌日、その橋のたもとで気を失っていたという共通点があった。
夜通し張り込み、虎杖を手近にあった紐でバンジーさせたものの、呪霊は発見されなかった。
張り込み失敗で次の策を練ろうとコンビニで集っていると、そこに、昨日、出会った後輩が姉を連れてやって来る。
彼女も、かつて『八十八橋』で肝試しをしたことがあり、その際、伏黒の姉『津美紀』も同行していたという。
姉が絡んでいると知ると、如実に平静さを失う伏黒。
伊地知に連絡を取り、姉の護衛を要請しする。危険度が更新され、3人だけでの対処は難しいかもしれないという忠告を伊地知からうける。
しかし、平静さを失った伏黒は一人で現場に赴き、事態を解決しようとする。ところが、現場まであと少しというところで、後をつけてきた虎杖と釘崎の二人に、話しかけられ、伏黒はついに状況を説明する。
伏黒の姉、津美紀は昏睡状態にあり、もし仮にこの呪霊に絡まれていた場合でも、自ら気付くことができない。
そこまで聞いて、虎杖と釘崎は、それ以上の説明を求めず、3人は進む。
そして、呪霊の結界に侵入するトリガー「川」を踏み越え、三人は結界に入る。そこには、確かに呪霊がいた。
そこへ、真人によって受胎させられた特級呪物の呪霊が乱入してくる。特級呪物の呪霊が、本来、この件に関係ないにもかかわらず、乱入してきたことを察知すると、虎杖は単身、その呪霊に挑むことを宣言するのだった。
伏黒編が始まった
この『起首雷同』シリーズは「伏黒編」であると言って良いでしょう。
伏黒の過去に通っていた中学校、地元が発端となっており、姉も関係しているという事件です。
何らかのきっかけで伏黒が過去を回想する・想起するのではなく、自分の過去、身の回りのことに目を向けざるを得ない・話さざるを得ない状況に追い込んで、話を切り出させるというのは、非常に好感を持てました。
この場合、過去に触れなければならない状況というのは、元中、つまり事件が地元の母校に関係あったと言う、至極単純な事です。
状況としては、偶然というか、ややご都合と言えます。受けた任務が(埼玉とはいえ)自分の地元の出来事だったことはご都合だったといえるでしょう。
ただ、演出の為に、筋書きを多少ご都合にするのは悪くないと思います。むしろ、唐突に回想シーンを無理やりねじ込まれるよりも、ずっと好印象です。
そう言った意味では、東堂の回想シーンはねじ込まれた物とは言えなくもないです。
ですが
- 「退屈」という東堂が使ってきたキーワードを使っていたこと
- アバンで手短にまとめた
- 情報を完結させなかった(あの女性術師は誰だ?)
と言ったことが、鬱陶しい回想シーンとの違いになったと思います。
また、彼らは高校生であり、数か月前まで中学校に通っていました。漫画や小説の中では、高校が舞台になってしまうと、それ以前の学校で何をしてきたか、ということが取りざたされづらいように感じます。
彼らも人間であり、連続した人生の中で、中学を卒業して、高校に入学してるという当たり前のことを、帰郷と中学の訪問で視聴者に思い起こさせるのはさすがだな、と思いました。
そして、ヤンキー共を殴って回ったというところから、彼もまた、呪術高専とは別の学生生活を送ってきたのだということを想起させ、ニヤニヤが止まりませんでした。(やってることがほとんど東堂と同じに感じるのは私だけでしょうか)
また、伏黒が焦る理由を聞きつつも、深入りはせず、すぐに行動した二人の信頼感も見ていて心地よい物でした。
嫌味にもなりかねない「主人公らしい主人公」が、素直に輝いたシーンだったと思います。
それでいて、伏黒だけにフィーチャーしていません。真人達呪霊一派の動きも入ってきています。(18話の感想でも述べましたが、本当に呪霊たちはどこでも出たがりですね。)
話の大筋である、呪霊一派の描写も含めつつ、伏黒にフィーチャーする筋書きは見事だと思います。
もちろん、伏黒をとりあげて、伏黒だけを描写するようなシナリオ構成でもありだったとは思います。虎杖、釘崎のコミカルな動きも多く、見ていて飽きが来ない公正になっていたから点から見ても、そこは安心して断言できます。
ですが、あえて、本筋に絡むようにして、幕間の物語というふうにせずに、これもまた、本筋の一つであるという風に印象付けるのは、面白いやり方だと思いました。
こうして、情報を小出しにされて行くと、次も見る気が置きますし、配置される細かなエピソードにも押し付け感があまりないので、私は好きです。
最終的に、少し長めの回想が入るのだとしても、シナリオ全体としてのテンポが悪くなる予感はしません。なので、この起首雷同シリーズの最後に、津美紀と伏黒の思い出が、もう少し捕捉される形で語られてもいいのかもしれないな、と思いました。
ドアに異常を発生させる仕掛けに対する不思議
今回の呪霊は、渓谷の川を踏み越えて領域に入った人間を対象に、ドアに異常を起こしてから、2週間後に死亡させるという呪霊です。
ドアに異常を起こすのも、数年~20年後とむらがあり、一体どういう仕組みなのかよくわかりませんでした。
呪霊の能力が常に何らかの暗示であること、能力や術式に一定の法則があるかどうかは分かりません。なぜなら、呪霊の術式については、今のところ、あまりこれと言った明確な説明がないからです。
未登録の特級呪霊(漏瑚や花御、真人)はいますが、彼らは完全規格外で、ほとんど人間です。少年院での特級呪霊は呪力によるごり押しのみであり、それ以前に登場した一般呪霊も、基本は物理攻撃のようなものでした。そのため、一般の呪霊がどの程度のものなのかは、今のところ明確に情報が無いと思っています。
起首雷同シリーズが終わるころには、この呪霊の術式の仕組みや特性について説明されるのか。その点についても期待して視聴を続けていきたいと思います。
起首雷同の意味とは
そもそも、『起首雷同』という言葉は存在しません。
「起首」「雷同」という言葉がそれぞれ存在するだけです。
意味はそれぞれ
- 起首:物事の始まり
- 雷同:賛同・同意すること
となっております。
組み合わせると、物事の始まりで同意するということになるでしょう。つまり、どういうことかと言うと、よくわかりません
物事の始まり、といって、何が始まっているのか。
賛同・同意、といって、何に同意しているのか。
これらが明かされることが無ければ、この「起首雷同」の意味するところは分からないでしょう。
終わりに
アニメ呪術廻戦 第22話 起首雷同のあらすじ及び感想でした。
伏黒や、後輩の口から端的に語られ、情報が一つずつ繋がって行く物語の様相は、上手にシナリオが組まれていると感じました。
また、コミカルな動きも増え、見ていて飽きがこず、本当に楽しくしちょうすることができました。
次回は『第23話 起首雷同 ー弐ー』になります。一週間、次回を楽しみに待ちましょう!