新クール前の置きの一回
今話は完全に新クールに向けての準備の回となっており、シナリオとしてのテンポは大分悪いようにも感じました。
出てくる登場人物も全員大人なので、ギャグシーンも入れ辛いようで、前回の様に「分かりやすく羽目を外す武道」のようなこともありませんでした。
テンポの悪さはこの作品でも度々みられる傾向であり、結構引っかかって居る所です。乱闘の中でドラケンを探してウロウロしているだけで話が終わってしまった回もありました。
物語が始まった直後の段階では、物事が精緻に組み合わさって、ストーリーが進んでおり、無駄のないエピソード運びに感動させられました。
ただ、1クール目中盤以降、武道がマイキーと一緒に行動するようになってからは、武道自身が割とマイキーやドラケンと話を着けて何とかしようとする傾向が見られ、一歩引いたような行動が見られ、どうしても不満が募っていました。
そう言った経緯から、今回についても、新展開の前準備になるだろうな、とは思っていたのですが、ここまで露骨にそうなるとは思っていませんでした。
しかも、これと言った伏線になりそうな要素もなかったことも残念な理由でした。こういった準備回を用意して、時間を稼いでいく手法は、『ヒロアカ』で良く用いられていました。
そのため『ヒロアカ』は謎を蒔くことに終始してしまい、ストーリーに進展しない回がそこそこあり、私としてはそれに対して結構苛立ちを感じたりもしていました。
ただ、一方で、露骨に伏線らしい伏線があることで、少なからずストーリー進展に関与していることも事実です。露骨ななりに伏線を張っておいてくれることに対して、今回、伏線と思しき要素が特になかったことから、ストーリー全体の進展に何ら関与しないシーンが多く感じてしまったのが、良くなかったのかなと思いました。
あれで死ぬのか?
壁向きに止まった軽自動車にジープで追突して、どっちも死ぬというのはよほどスピードを出していても、いくらなんでも無茶なんじゃないかと思ってしまいました。
追突された段階では、日向は足の感覚が無いと述べており、無理やりにでも引っ張り出せば少なくとも命は助かったんじゃないかと思ってしまいました。(状況が分かりづらかったので、引き抜くことでかえって死亡させてしまう可能性はありましたが)
爆発2連続で帰らぬ人と言うのも不確実性の高い方法と言いますか、実際にそんなこと起きるのか?!と思うような出来事になってしまっていました。
ただ、アッくんの心情を考えると、確実な方法ほど、自分の親友とその彼女を手にかける生々しさが重く伝わってくる方法になってしまうため、車で追突するというやや遠回しな方法の方が、気持ちが楽だったのかもしれないとも思いました。
殺害について、何処まで卍會が詳細に段取りを決めていたのかはわかりませんが、アッくん一人にすべて負わせていた様でもないようで、半間も一枚噛んではいる様でした。
ただ、複数人絡んでいるとすると、アッくんの心情が無視されやすくなり、もっと生々しい方法になってしまうのではないかとも思いました。
この辺の話の整理がきちんとついていないところにどうしてももどかしさを感じてしまいました。
いかんせん、この作品のジャンルが「サスペンス」と聞いたときから、リアルよりな作品だと思い、リアリティを期待してしまっていました。
そのせいで、「追突だけで下半身がつぶれたり、爆発を起こすような車とかどんな欠陥車やねん」とか不埒なことを考えて視聴してしまっていました。
また、日向と同様にターゲットにされていたような武道ですが、あっさりと半間に見逃されています。半間の腕ならば、武道をどうにでもできたような気がするので、武道はターゲットとしての優先度は日向よりも下なのかもしれないとも思いました。
そうなると、日向は一体何をしでかして卍會の的にかけられることになったのでしょうか。現在は過去が改変され、武道を通じて何度か卍會との接点を持った日向ですが、一番最初に命を狙われた理由は明かされていません。
日向のまっすぐな性格では、卍會の悪行に対してストレートに物申した可能性はあります。それでも、いきなり卍會がアッくんを指名して殺させるということはよほどの何かをしでかした(幹部を張り手したとか)とかだと思うので、日向はなぜかくも狙われるのかと言うことが非常に気になりました。
いつ死ぬかと言う緊迫感
ただ、それでも今話を視聴中に感じていたのは「いつ日向が殺されるか」という緊迫感でした。
メタ的な展開予想にはなってしまうのですが、今後、話が続いていく以上、日向は殺され、武道は改めてタイムリープをすることを強いられることは分かっていました。
なので、日向がどの段階で殺されてしまうのかと言う緊張感は常にあって、内心冷や冷やしながら視聴をしていました。
結果的には、半間が登場して、終盤で殺害されるという流れになったのですが、一体、いつどこから何が飛んでくるのかわからないという状況では内心かなり冷や冷やしていました。
終わりに
リアルよりの作品だと思っていたけど、車の追突で二人死ぬという衝撃展開に「あ、これ、ファンタジーなんだな」と思うことになりました。
アニメ冒頭での神展開はどこ吹く風の、ダラッとした展開になってしまったことも残念でした。