あらすじ
日向を目の前で失った武道。ドラケンを救っても卍會を変えることはできず、日向を死なせてしまったことから、武道は卍會の頂点に上り詰めることを決意する。
日向の葬式において、武道は覚悟を胸に日向の仏前に手を合わせる。それを見ていた直人は、今まで行動を共にしてきた武道が日向の死を受け入れているかのように見えてしまい、ついに感極まってしまうのだった。
葬式の後、日向の母から渡したいものがあると布包みを渡される。武道がそれを開くと、そこには武道がプレゼントしたネックレスの焼け焦げた姿があった。母親にまでお気に入りと認識されるほど大切にしていたというネックレスを武道は受け取る。
そのすぐ後、武道は直人と話す。直人は自分たちのしてきたことが無駄だったのかと落胆しきっていたが、武道は自ら決めたこと「過去に戻って自分が卍會のトップになること」を語る。
そのあまりに突拍子もない案に、少しだけ元気づけられた直人は、再び行動を開始するのだった。
かなり時間が経ってから、武道は直人に東京拘置所に呼び出される。長らく音信不通になっていた直人からの呼び出しだったうえ、何も聞かされていなかった武道は戸惑いながらも面会室へ向かう。
そこで出会ったのは、死刑囚・龍宮寺堅であった。殺人で死刑を待つ身となったドラケンだったが、自分のしたことを後悔していないと語った。そして、武道に東京から逃げろと言うのだった。ドラケンは、自分を尋ねてきた理由が、武道が何らかの形で襲われたからだと察していたのだった。
そして、喧嘩に明け暮れ、何も考えずただ組織を大きくしていくことだけを考えて居られた子供時代を、ドラケンは懐かしむのだった。
無慈悲にも、面会時間は終わってしまう。ドラケンは去り際に、稀咲はもともとマイキーに心酔していて、それが何らかのきっかけで憎しみに変わってしまったこと、それによって、マイキーからすべてを奪おうとしているのだということを語る。
そして、面会から帰った武道と直人は、武道の提案したトンデモミッション「卍會のトップになる」という約束を交わして、まず手始めに武道はパーちん不在によって穴となった参番隊隊長になることを目指すと言って、過去に戻るのだった。
武道が過去に戻った瞬間、なぜか武道は銭湯に居た。そして、戦闘ではしゃぐマイキーとドラケンという唐突なシチュエーションに驚きつつも、内心では再会を喜ぶのだった。
はしゃぐ二人に巻き込まれながら、風呂時間は終了し、二人は武道に行き先を告げる。行先は「参番隊隊長任命式」。そして、銭湯の入り口にはすでに隊長たちが揃って居るのだった。
友情シーンにはほだされちゃいます
なんだかんだで、少年漫画らしい友情シーンは結構盛り込まれるのがこのアニメです。今回も、死刑囚ドラケンに出会ってから、12年前のやんちゃ時代のマイキー・ドラケンの掛け合いを見ていると、ついほだされそうになりました。(ほだされるのは悪い事ではないと思っています)
ドラケンとの面会は超短時間で、ドラケンが言いたいことだけ言って終わったようなシーンでした。正直、武道視点で言えば結構長く待ったのにこれだけしか情報が無いし、視聴者目線で言えば、ドラケンに会わずに過去に戻っても大して変わらなかったんじゃないかと思うようなシーンでした。
マイキーとドラケンのはしゃぐシーンを見るまでは。
武道はドラケンが12年たっても変わっていないと感じていました。確かに、筋を通して正義を貫くドラケンの姿は、死刑を待つ身となっても変わってはいませんでした。ドラケン自身も後悔はしていないと語っていました。
それでも、マイキーとはしゃいで戦闘で喧嘩するようなバカやったりしている時とは、やっぱり違っているのだと感じました。
マイキーとドラケンははしゃぎ合って当たり前でしたが、12年後にはそんな当たり前すら消え失せている。そんなことを印象付けるシーンとして、ドラケンとの面会を入れたのはアリだと思いました。
このままいくと、武道は決着をつけるまで、現在には戻らないような気がします。そうなると、数年間は戻らないでしょう。ただ、すべての決着をつける前に、現在のマイキーがどうなっているのか、それは見せてほしいように感じました。
それは、今回のドラケンの様子を見て強く思いました。
しかし、数年間寝たきりになっていたら、それだけで立ち上がれないほど筋肉が弱っていそうなんですが、その間も直人の部屋で点滴生活になるのでしょうか。適切な医療処置が行われていないで数年間点滴だけで寝たきりになったら、普通に死んじゃいそうなもんですが、どうなんでしょう。
稀咲はそんなに外道でもない?
稀咲はマイキーにほれ込んでたけど、その反動でとにかく悪に落ちてしまった、と言うようなことがドラケンから語られました。
前に河原で武道とすれ違ったころから、稀咲はなんだか悪そうな顔をしていました。半間と結託して『メビウス』とキヨマサを使ってドラケンを殺そうとしたのも、『ヴァルハラ』の総長として卍會を潰そうとしていたのも稀咲なんだと思っていました。
ただ、ドラケンの話を聞いているとそうでもないのかな、と思いました。
『ヴァルハラ』と卍會の対決後に、稀咲がマイキーにほれ込んで、その後何やかんやあって敵対してしまったという流れは、紆余曲折があり過ぎて、なんだか納得がいかないような気がします。
そこまで紆余曲折があると、物語としてのまとまりが無くなってしまうからです。
とはいうものの、一方で、稀咲はマイキーを追い詰めるためならどんな手でも厭わないようです。日向もその一環で始末されたのかもしれませんが、一番最初、ループを開始する前に、日向がどうして卍會の的にかけられたのかと言う謎はやはり謎のままです。
稀咲がマイキーと道をたがえたのはおそらく数年以上前のことかと思われます。ドラケンの裁判があるからです。上告しなければ、裁判の期間はそれなりに短くはなりますが、死刑判決となるような事件であれば、ある程度、慎重に裁判が執り行われることでしょう。
しかし、ドラケンが死刑囚になるとは意外でした。確かに、ドラケンが居れば卍會は道をたがえることはない以上、ドラケンを排除する必要はありましたが、逆に、ドラケンに対する人望もそれ相応にあるはずなので、ドラケン派が何らかの行動を起こしそうなものですが、一体どうしちゃったのでしょうか。
その時点で稀咲はドラケンから仲間すら遠ざけられるほどの権力を握ったということになるのでしょうか。
終わりに
いずれにしても、謎多きまま12年前に戻りました。数々の謎が素早く解決されるとは思えず、このまま2クール目でも解決しないんじゃないかとも思っています。
これはしばらく腰を据えてみることになりそうですね。