僕のヒーローアカデミア 第93話 新技即興オペレーションの感想です。
A組VSB組対抗戦編第2試合に突入し、それぞれが因縁の相手・似た者同士との決着を望む戦い、そして、判断力の優れた委員長同士の闘いがスタート!
あらすじ
A組VSB組のチーム対抗戦第1試合の反省会が始まる。
その中でも、インターンで過酷な戦いに身を投じた切島と蛙吹はシビアな感想を述べ、心操もまた悔しさをにじませた。
今回の試合を受けて、改めて各チーム作戦会議が始まるものの、爆轟を含むチームの身は、爆轟の我の強さに圧されて何も進んでいなかった。
オールマイトも心操が実力の差を痛感しつつも悔しいと感じた事を前向きにとらえていた。
そんなことをしているうちに、第2試合の開始準備の指示が出る。
B組・拳藤は職場体験の折に、一緒にCMに登板したことで、何かとセットで扱われるA組・八百万との決着をつけたいと望んでいた。
また、B組・黒色は自身と同じ黒をメインとするA組・常闇との戦闘を望んでいた。
それぞれに因縁の相手に決着をつけようと約束を交わし、配置につく両チームのメンバー。
試合開始と同時に両チームとも動き出す。
常闇の個性・ダークシャドウによって索敵を繰り出すA組チーム。ダークシャドウはさっそく4人一緒に行動しているB組を発見する。
ダークシャドウを戻す常闇だったが、ダークシャドウの異変に気付く。しかし、時すでに遅く、ダークシャドウから一撃を貰ってしまう。
ダークシャドウの中には黒い物に潜み、黒い物を操作できるB組・黒色が入っていたのだ。
A組チームは即座に葉隠の技で閃光を出し、ダークシャドウと黒色を切り離し、八百万の攻撃で捕獲するも、即座に影の中に逃げ込まれてしまう。
常闇は黒色と決着をつけるべく、新技「黒の堕天使」を披露することを決める。
それは常闇がホークスの事務所で職場体験をしていた頃の事。常闇は「早すぎるヒーロー・ホークス」の素早さを目の当たりにして何もできず、敵役連合による雄英高校襲撃事件についての情報を提供するだけだった。職場体験に参加させてくれた理由も「鳥仲間」と「情報収集」とはぐらかされてしまい、常闇は無力を噛みしめていた。
続くヒーローインターンでは身に着けた新技を駆使して何とかホークスに追いつこうと気張ったが、やはり追いつくことはできず、今度もまた敵役連合との闘いについて問われるのだろうと肩を落としていた。
しかし、ホークスは常闇に空を飛ぶという可能性を示してくれた。
時は戻ってA組VSB組対抗試合。黒色は常闇狙いと言う精神的なブラフを掛け、青山を狙っていた。黒色は青山を掴むとそのままパイプだらけの暗闇を疾駆する。
しかし、ホークスの示してくれた可能性から着想を得た飛行能力で、常闇は黒色に追いつく。
緑谷は即座に飛行理由を分析、浮遊しているダークシャドウに抱えられることによって、自身も浮遊し、腕に抱かれることで、ダークシャドウの手も自由に使えるという利点があることを見抜くのだった。
常闇は即座に青山を奪還。青山のレーザーをばら撒くことで、闇を奪い、黒色を影から引きずり出すことにも成功する。
このまま攻勢をかけようとするA組の面々から、突如キノコが生え始める。それはB組の用意していた、黒色による単騎奇襲が失敗した場合のプランBの始まりだった。
そつのないシナリオ
ヒロアカのシナリオはいつもそうなのですが、全体がそつなくまとまっており、「ここだ!」というポイントが少ないです。
全体が良いだけに、ピンポイントで光る部分が見つけづらいです。おかげで、感想を書くのがちょっと他より大変です。
作画、演出、テンポ、どれをとってもそつなくまとまっています。キャラクターも性格や外見に個性はあるものの、それが前面に押し出されるような演出にはなっていないため、そう言うポイントもやや弱めです。(一応、黒色と常闇が中二病同士っぽい描写はありましたがなんとなくギャグテイストだったのもちょっとと言う感じでした)
このA組VSB組対抗編が始まってからは、配管の中を移動するシーンの描写にキレがあり、そこが光っていると言えば光っているのですが、とてつもないインパクトを残す要素にはなり切れていない気がします。
高評価しているのか低評価なのか、ここまで読んでくださった方はどっちだよと思われるかもしれませんが、私もどっちなのかと言われると本当に悩むところです。
安定していて、悪いところはあまりなく、むしろどちらかと言うと良い点の方が多いけれど、よくよく考えると、「ここだ」という強みが見えてこない話が続いている気がします。
このA組VSB組対抗戦はメインのシナリオといえる流れとは全く別のところの話なので、だからこそ、どっちが勝つか負けるかが明示されづらいのですが、逆に言うと緊迫感はなく、盛り上げ過ぎるわけにもいかないと言ったところです。
さらに言えば、本命は緑谷チームと心操チームの対戦であり、ここが一番盛り上がるところですから、それ以外の戦いは言ってしまえば前座です。なので、前座で盛り上げ過ぎるわけにもいかず、やや盛り上げを抑えているという点もあるかもしれません。
勝敗が決するわけでもなく、『ワールドトリガー』の様に複雑な読み合いや個々人の動きと言った部分に重きが置かれているわけでもないので、ヒロアカの中で団体戦をいくつも実施していくというのは少し盛り上がりに欠けてしまっています。
ある意味、これはヒロアカのシナリオとしての弱点であり、アニメ化に関して言うと、きちんと演出されているようにも感じるので、なかなか難しいところだと感じました。
ただ、何よりも私がアニメを観るうえで気にしがちな、テンポが悪くないのは高評価です。
91話まではをばら撒くことに終始していて、散漫な印象を受けましたが、それ以外の回では、かなりのテンポの良さで進んでいる点は非常にGoodだと思っています。
終わりに
良くも悪くもそつのない優等生なアニメ『僕のヒーローアカデミア』。盛り上がるところはカタルシスが凄いけど、そうじゃないところはちょっと凡庸に見てしまうという特徴が如実に表れていると感じる1回でした。
とはいえ、見ていてあっという間だったのも事実。この調子を崩さず上手くやっていってくれることを期待しています。