『僕のヒーローアカデミア 第94話 先を見据えて』の感想です。
A組VS B組対抗試合編。第二回戦。
前回はB組・黒色の奇襲を撃退したA組チームにキノコが襲い掛かりました。ここからさらに戦況が変化し続ける先の読めぬ戦いが後半戦に突入。
あらすじ
A組VS B組第2試合。後半。
キノコを生やし始めたのはB組・小森だった。
拳藤は黒色の奇襲を撃退するため、A組が使用する光を使ってA組チームの位置を特定し、キノコ攻撃で不意を突き、吹出のオノマトペの具現化能力を使ってA組チームの分断に成功する。
そして、拳藤自身は因縁の相手・八百万に直接戦闘を挑む。
吹出はオノマトペ具現化能力を使って、『じめじめ』などのオノマトペで小森のキノコをサポートする。
青山を抱えていた常闇だったが、闇の中を飛行していたため、B組・黒色の接近を許してしまい、青山を連れ去られてしまう。そのまま、常闇は葉隠との合流には成功する。
八百万は拳藤の攻撃に対して盾を作って時間を稼ぎつつ、大砲を作るが、その大砲で、壁の向こうの常闇と葉隠に支援アイテムを渡す。
アイテムを受け取った常闇は中にあったサーマルゴーグルで敵の位置を割り出し、攻撃を仕掛け、葉隠は吹出を急襲する。
小森と黒色が合流していたところへの急襲する常闇は、ダークシャドウとマントを使って黒色と小森を捕らえることに成功する。
しかし、手段を選ばず仲間を助ける決意を固めた小森により、常闇は気道にキノコを生やされ、呼吸困難に陥らされ、そのまま黒色と小森を手放してしまう。
さらに、吹出を捕らえようとしていた葉隠のところにも、拳藤が間に合い、葉隠れも捕らえられてしまう。
八百万は接近戦に持ち込まれた段階で自身の敗北を悟っていたが、それでも気絶しようとも拳藤の足止めに奮戦し、拘束を続けているのだった。
結局、第2試合はB組は全員残り、A組は全員捕らえられるというB組チームの完全勝利と言う形になった。
一貫して八百万のことを評価していた轟は、この敗北を受けて、八百万が精神的ショックから不安定にならないかを心配しているのだった。
キノコの評価が一転
キノコがゾワゾワ生えてくるのはビジュアル的には脅威でしたが、物理的な脅威としては実感が薄かったです。
キノコが生えると痒くなるのなら結構きついかもしれませんが、キノコが直接生えたことが無いのでよくわかりませんでした。
ただ、気道の方をキノコで埋め尽くすのはヤバい使い方だと思いました。長らく喘息持ちだったため、呼吸困難になる恐ろしさはそれなりに身をもって知っているので、心底恐ろしいと感じました。
正直、至近距離で大砲ぶっ放すよりも気道を埋める方がヤバいように感じました。数時間で消えるとはいえ、持続時間をコントロールできないので、数時間は咳が続くと考えるだけでも脅威です。
回復手がヒロアカ世界だと、人間の自然治癒を活性化させる『リカバリーガール』しかいないので、気道内に生えたキノコを除去する手段が無く、数時間もキノコがはえていたら、それだけで死に至りそうな気がします。
なので、キノコの個性は前半の使って意味があるのかよくわからないイメージから、一転、終盤では一番悪辣な個性に見えました。
どんな個性も使いようなので、例えば、轟が極低温で人体を凍らせ続ければ凍傷で切断しなければいけない状況に追い込めますし、爆轟の爆発を口内に手を突っ込んで起こせば今回同様、内側から焼けて死ぬ、みたいなこともできます。
ヒロアカ世界は個性重視で、最終的には生身での近接戦になりがちです。そのため、一般的な武器を使うようなバトルアニメと比べると、互いに間合いが近づきやすい性質があります。(武器を使用すると武器分だけ間合いが離れる)
なので、正確に攻撃を体内にぶち込むことが、武器を使用している時よりやり易い気がしたので、体内攻撃のインパクトは感じました。
轟や爆轟に比べ、小森のキノコは無差別範囲攻撃な上、効力を発揮しない空気中では胞子の起動が読めないなどの利点もあるので、とりわけ体内攻撃に向いているのだとも感じました。
なので、今回はそう言った意味で、本人は好みの問題と言っていますが、かなり手段を選ばずヤバい攻撃を使ったという印象でした。
轟のイケメンムーブが止まらない
今回、一貫して描かれたのは、轟が八百万のことを高く評価し、その一方で、精神的なもろさを試験を通じて知っているからこそ、心配するという轟の姿でした。
公式は八百万と轟をくっつけようとしているんじゃないかと思うくらいです。轟はそういう浮ついた話をするタイプではなさそうなので、あり得ない気はしますが、やたら八百万と轟のところだけ精神的な繋がりを強調している気がします。それは、試験の時の描写も含め、です。
轟は自身が複雑な家庭環境を抱えている都合上、あまり他者を省みず、それが原因でいさかいを起こすような人物でしたが、そう言った側面に気付く以前から八百万のことを気にかけている描写が続いています。
八百万との関係が轟の内面に変化を起こせるとも思えないのも、なんだか轟が可愛そうなのですが、こんなに心配される八百万は優秀設定のはずが、どちらかと言うとポンコツ可愛い属性が与えられてしまっている気がします。
A組完全敗北
訓練編には賛否両論あります。生死をかけた戦いになりづらいため緊迫感に欠けることから、訓練編に否定的な意見にも一理あると思います。
ただ、逆に言うと、生死がかかっていないからこそ、主人公サイドが敗北するかもしれないという状況も生み出せるため、それはそれとして緊張感を生み出すこともできます。
第1試合は、心操の脅威を印象付けるためにも、A組の勝利であったことから、第2試合はA組が敗北し、それ以降の戦闘訓練の勝敗が読めなくなる展開になるのでは、と読んでいたため、ある意味私としては「想定内」になりました。
それでも、A組が完全敗北するほどの勝利になるとは思っていなかったので、これはちょっとばかり意外でした。
これで、次の戦いからはドンドン結果が見えなくなって、緊張感を持って視聴できる気がします。
ただ、なんとなく3回戦はA組敗北、4回戦(緑谷参戦)はA組勝利、5回戦(爆轟参戦)はA組勝利で、スコア的にはA組の勝利になるのかな、と勝手に想像しています。
終わりに
A組VS B組対抗戦編も一回当たり2話ずつ使いながら、順調に話を進めています。
当初は「キノコ生やしても意味ねーだろ」と思ってみていたのですが、最後の切り札が個人的な思いから強烈に突き刺さった1回となりました。