ドムストの雑記帳

全然器用に生きられない私の真面目な事、勉強の事、お楽しみの事を書くために開設したブログです。

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環境に恵まれないラノベの主人公【ぼくたちのリメイク 第1話 なにもかもだめになって(前編)】感想

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あらすじ

 

勤務していた会社がつぶれ、失意の中、実家・大阪へと戻る主人公・橋場恭平。帰省の高速バスの中、サクシードなるゲーム会社の記念ゲーム開発が進んでいることを知る。その製作に携わっているのは、橋場から見ても豪華な面々だった。続報を検索しようとするも、失意の中ではその気力も起きず、そのまま、実家へとたどり着く。

 

失意の中でベッドで寝ていると、妹から電話がかかってくる。曰く、妹の荷物の中に恭平の大事な合格通知が混じっていたから届けに行くということだった。

妹が届けに来た合格通知は芸大の物。かつて、大学進学時に、記念受験して合格したものの、普通の大学へ通った恭平。

恭平はもし芸大に通っていれば、先のサクシードのゲームの豪華な開発陣「プラチナ世代」と共に仕事ができていたのではないかと後悔を募らせる。

 

しかし、恭平もいつまでもそうしているわけにもいかず、就活を開始するも、芳しい結果は得られないでいた。

そんなある日、思いつめた顔の女性を歩道橋の上で見かけた恭平は、その女性が靴を脱ぎ始めたのを見て、自殺を図らんとしていると思い込み、彼女を突きとばしてしまう。

 

女性は思詰めてはいるものの、自殺は恭平の勘違いだった。それでも、喫茶店で話をしてもらえる程度の関係にはなれた恭平と女性だったが、女性曰くスタッフが逃げ出してしまい、代わりとなるとんでもないマルチスペック人材を求めているとぼやく。

しかし、恭平はそれが全てできるかもしれなかった。

 

即座に採用された恭平は女性が部長で、努めている会社は『サクシード』だったことを知る。手始めの仕事として雑用を言いつけられた恭平は、資料整理に才能を発揮し、部長の想定を超える成果をあげるのだった。

 

その後、開発チームから信頼される人材となった恭平は忙しく働いていた。女性部長も恭平の働きっぷりを見て、契約が切れたら、正社員と要してもらえるように掛け合うというのだった。しかし、その一方で開発チームは、ソシャゲ開発部門から白眼視されるなど、逆境にあった。

 

そして、さらに後、制作の進行が不安視されるようになってきたころ、部長の口から開発の凍結がつげられる。あまりのショックで倒れかかってしまう恭平だった。

結局、またも職を失い、実家へと転がり込む恭平。

 

家に戻ると、そこにはあの日、置きっぱなしにしていた芸大の合格通知が。合格通知を見て、またも「プラチナ世代」のことを思い返す恭平だったが、意味のない後悔に声を荒げ、再びベッドの上で寝込んでしまう。

 

またも妹に起こされ、ちぐはぐな会話をしたのち、恭平は自身が10年前にタイムスリップしていることに気付く。そして、意味のなかった後悔に、改めてトライできることを知ると、恭平は芸大入学を決断する。

 

シェアハウスに転居したものの、まだ誰もおらず、恭平はひとまず2階の部屋で荷ほどきをする。しかし、すべてを荷ほどきするには至らず、ある程度、荷ほどきした段階で、恭平は眠りこけてしまう。

 

その後、変な夢にうなされつつ、朝に目を覚ました恭平は自身の隣に美少女が眠っていることに気付き、これはまだ夢なのだと思う。しかし、そうではないことに気付くと、飛び起きる。

少女も目を覚ますが、あまりに色っぽい格好をしていた。その後、何やかんやあって、他の同居人たちに少女との肉体関係を疑われることになりつつも、何とか自己紹介にたどり着く。

 

金髪の奈々子、男子・貫之、そして、恭平の部屋に押しかけて寝ていた志野亜貴。この3人と共に、シェアハウスでの恭平の芸大生活が始まるのだった。

 

環境に恵まれない男・恭平

 

恭平自身は猛烈に才能も技術もある人間です。じゃなきゃ、記念受験で芸大に受かりませんし、入社初日で任された雑務で実力を発揮したりしません。

 

しかしながら、経歴を見るとかわいそうなもので、

  • 自主退職
  • 入社したゲーム会社はブラックな上、倒産
  • 就活もうまくいかない
  • 偶然見つけた就職先は大手だったけどプロジェクト凍結と同時にリストラ

と言う有様です。

 

『サクシード』内での活躍を見る限り、他の正社員よりよっぽど優秀なような気もしますが、失敗プロジェクトの責任者が恭平をどれだけ優秀と言っても、上層部にそれが通じなかったのかもしれません。

 

とはいえ、かくも優秀なのにここまで不遇と言うのはよっぽど運が悪いか、人間的に欠陥がデカすぎるかのような気がします。おそらく前者だとは思いますが、可愛そうな立場です。

 

私は無能な方ですが、幸いにして職を失うほどの危機には陥っていません。逆に、恭平は芸大に行けば人生変わったかもしれないと思っていますが、私はどこの時点に戻っても人生変えられる気はしません。

何らかの決断が人生を別けたと思えるのは、それだけ環境に振り回されつつも、良い環境が見つかれば、その中で猛烈に才能を発揮できる自信があるからだろうと思いました。正直、はたから見た恭平の態度は決して自身に満ち溢れたものではないですが、独断でファイル整理できちゃうあたり、相当自信はあると思います。(普通だったら上長確認すると思います。まして入社初日ならば絶対します

リアリティのことは考えない

 

1話を見た段階で、この作品にリアリティを期待しちゃダメなんだと思い知らされました。

私はどんな作品でも、割と地道なプロセスやリアリティを重視する方です。

 

なので、1話の段階で思ったことの代表的なモノを書き並べると

  • 独立して家を出た人間の部屋って片付けられるものでは?なんでベッドも本も置きっぱなしなの?
  • 契約社員とはいえ、研修もなしにいきなり雑務とは飛んだブラック企業だな(せめて社内システムの説明くらいはあるでしょう
  • 幾らシェアハウスとはいえ、男女はフロアで分けるのが常識では(特に女性部屋は2階にしてあげるのが防犯上いいのでは

と思ったりしていました。

 

そもそも10年前にタイムスリップする時点で荒唐無稽ともいえるのですが、そこについては、ツッコミは不要と考えています。さすがにその辺りまで突っ込みだすと、あらゆるファンタジーを否定することになるので、そこまでツッコミは入れません。

 

ただ、それでも現実を舞台としているなら、もうちょっとリアリティが欲しいかなと思いました。

 

この作品の作者は、実際にゲーム制作に携わり、各方面で技術と才能を磨いてきた才人です。なので、リアリティのある、丁寧な物語を期待していたのですが、実際のところ、その期待は外れてしまいました。

 

 

これがラノベなんだろうな

 

不自然なお色気シーンやラッキースケベがあったり、やや頼りなさげな高めの声の主人公というのが、なんだかいかにもラノベ原作っぽいな、と思いました。

 

最近は漫画やゲーム原作のアニメばかり見てきたので、こういう描写が無い物ばかり見てきたような気がします。そのせいで、なんだかラッキースケベなんて時代遅れな感じもしてしまいました。

 

ある意味、それも含めて、今のラノベとして受けているものだと受け止める必要があるのだとは思います。特に、創作者としてはそう言うシーンを入れるのも選択肢の一つだとして考えていく必要があると思います。

 

前述したような、リアリティの面も、ラノベではそこまで重視されることではないのだと思います。私の様にリアリティ至上主義なのも、困った物なのかもしれません。

 

私は知見を広げる意味でも、しばらくこのアニメの視聴を続けてみようとは思いますが、私と同じような趣味を持っている人にもお勧めできるほどのアニメではありません。

 

終わりに

 

「ラノベってこういうもんなんだなぁ」ということを強く感じる1話でした。

 

今まで割と硬派な物を見てきたので、ここはひとつ、今まで見てこなかった現代のラノベの風を受けてみようと思います。

 

ただ、タイムスリップしてゲームを作るというコンセプトでは『リスタート!』と言う作品もあります。(『リスタート!』は逆に未来に送り込まれるのですが)私としては『ぼくたちのリメイク』よりは『リスタート!』の方が雰囲気が好きです。

 

また、ゲームを作るという話だけで見ると『チェイサーゲーム』もあるので、そちらも興味がありましたらどうぞ。『チェイサーゲーム』は「現場のキツさ」に描写の重きがあるところがあるので、安易におススメ出来ないところはありますが。