ドムストの雑記帳

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初見さんお断り状態【ゲッターロボ アーク 第1話 天の鬼】

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2021年夏アニメの一作『ゲッターロボ アーク』の第1話の感想です。

 

説明が非常に少なく分かっている人に向けて作っているアニメ感が強い上、独特のキャラクターデザインが上手に活用できておらず、既存のゲッターロボの強いファンでなければ視聴することが難しいようなアニメとなっていました。

 

私自身はゲッターロボについては、OVA版をちょっと見た程度で、深く知ってはいなかったのですが、それでも1話の情報についていくのが大変でした。

ゲッターシリーズについて完全に初見だと、まったく追いつけないのではないかと思いました。

 

今回は少し第1話の段階で感じたゲッターロボアークの問題点を少し整理しておこうと思います。

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問題点1:世界観が伝わり切らない

最大の問題はこちらです。

 

一体いつの時代で、どういう世界観なのか・・・ということをアニメを単純に視聴しただけでは理解できないのです。

 

本作は進化の力・ゲッター線を活用する合体変形ロボを駆使して戦う近未来の日本を舞台としたアニメです。

その時代と場所についての説明が完全にすっ飛ばされているので、本作が初視聴の視聴者は完全に困惑してしまうと思われます。

 

更に主人公の設定についてもほのめかされるように提示されました。これが謎を増やしてしまい、かえって良くない方向に展開してしまっているように思いました。

本作の主人公・流拓真は前作以前の主人公・流竜馬の息子と言う設定です。故に、ゲッターエネルギーの申し子ともいえ、それにより早乙女研究所との確執が過去にあったことや、ゲッターロボパイロットとしての適正が高い事がほのめかされました。

 

ただ、新期視聴者からすると、この情報も余計で、ゲッターとは何なのかとか、流竜馬って誰とか、竜馬とゲッターの関係はなんだとか、色々分からないことだらけです。

 

既存のゲッターロボファンの中でも、1998年~2004年にかけて発売されたOVA版しか知らないという人も多いのではないかと思われます。それなのに、本作は漫画版のストーリーを前提とした『ゲッターロボ アーク』をそのままアニメ化しているため、基礎知識などは漫画版に準拠しています。

OVAと漫画版はパラレルワールドと化しており、大まかな話の流れは同じだとしても、最終的な部分については大分異なっています。

 

なので、漫画版を全シリーズ読んで前提となる基礎知識を持っていないと、このアニメを1話の段階で理解するの非常に困難かと思われます。

 

一方で、本作『アーク』で新規に登場した謎、前作ではなかった設定もあります。それらが、混然一体となって、何の区別もなく視聴者に襲い掛かってくるので、視聴者は情報の波に押し流されて、何もわからなくなってしまうと思います。

 

なので、せめて1話は世界観の説明とゲッターロボの戦闘シーンだけでよかったような気もするのですが、実際に放送されたのはその逆で、世界観の説明がなく前作以前の基本知識を前提とした主人公の謎がほのめかされるというありさまでした。

 

問題点2:キャラクターデザインが独特

 

本作のキャラクターデザインは永井豪画風の中でも結構特殊な部類です。特に額から頭頂部にかけてすぼんでいくような(極端に言うと水滴のような形)デザインのキャラクターがやや多めです。

 

別にキャラクターデザインが独特であること自体は問題点ではありません。ただ、キャラクターデザインが独特になると、きちんとアニメとして使いこなせるかと言うハードルは上がってきます。

当然、アニメも人の手によって描かれている物ですから、スタッフが描き慣れている物ほど簡単に描くことができます。逆に、キャラクターデザインが独特だと、描きづらく、その分コストも手間もかかります。

 

そのキャラクターデザインの独特さが足を引っ張って、アニメの出来がイマイチだったように感じたものに、前期から始まった『シャーマンキング(新版)』があります。

 

www.domustox.com

 『シャーマンキング』の場合は光の表現がよかったので、塗りの質感が良く、画面も映えているようにみえましたが、本作はマットな塗なのが相まって、ますますローコスト作画っぽく見えてしまいました。

 

それが反映された(と断言するのは危険かもしれませんが)結果的には演出力不足にはなってしまっていると思います。動きはかなり限定されており、昭和のリミテッドアニメを見ているような感覚になりました。

勿論、最近のアニメは画面をスライドさせるなど、もっと動きが無い場合もあります。ただ、それでも、動きが少ないということを認知させないため、会話で補うなどの工夫をしています。

その工夫が不足しているように感じられ、単調な画面になってしまっているようにも感じました。

 

問題点3:演出力不足

 

『ゲッターロボ』の魅力は熱い展開と演出力にあると思っています。もともと永井豪先生の画風が熱血画風となっており、そう言った演出と相性がいいのです。

OVA版ではそれが見事に結実しており、暑苦しいほどの作品に仕上がっていました。

 

ただ、本作では、その暑苦しいまでの演出が欠けていました。

 

OVAとTVアニメでは投入されるコストが異なるので、一概に比較できないのですが、先に発売されたOVAシリーズでは完璧と言っていいほど演出が凝っていました。

BGMについてもかなり良い物が揃って居て、戦闘シーンをこれでもかと言うくらい盛り上げてくれました。

 

それに比べると、どうしても本作の演出は見劣りしてしまうというのが本音です。

 

『アーク』の戦闘シーンだけを見ると、そこまで酷い物ではない方だとも思います。しかし、偉大過ぎる先達がいるばっかりに、どうしても見劣りしてしまっています。

 

説明不足のシナリオになってしまっているのも、ひとえに予算的制約で質の良い物を作るだけのコストがかけられなかったという点はあるかもしれません。それと同様に、演出面でも低予算っぽさが出てしまっているという感じです。

 

終わりに

 

メインビジュアルからして一抹の不安を感じていた『ゲッターロボ アーク』ですが、実際のところ、色々な粗が目立ち、個人的にはあんまりよい作品になっていないように感じました。

 

まだ1話ですので、2話以降に事情の説明があることを期待しつつ、しばらく様子を見ようと思いました。

 

Amazonレビューでも、既存のファンからの絶賛の声と、そうでない人の批判的意見と言う風にぱっくり2つに意見が割れてしまって居る所からも、本記事で述べたような問題点が取り残されているのだろうと感じました。