ドムストの雑記帳

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聖人過ぎる【アニメ進撃の巨人 72話 森の子ら】

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アニメ進撃の巨人 72話 森の子ら。今回も激動の1話となりました。

 

サシャの死の真相が、関係者すべてに明らかになり、その上で語られる「森の子ら」の意図する真実。

今回もまた、驚かされる1話となりました。

 

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なお私は『進撃の巨人』もAmazon Primeで見逃し配信視聴勢です。

 今期は他にも『呪術廻戦 』『ワールドトリガー』と見ごたえの多い作品が多いので、Amazon Primeでなかなか楽しいアニメライフをエンジョイしております。

 

 

あらすじ

 

ジークの口から語られるのは、コニーの故郷・ラガコ村で起きた唐突な巨人事件の真相。

ジークの脊髄液を混ぜた煙を散布し、村人を一斉に巨人化させた真実が語られる。そして、ジークはその中で、脊髄液を摂取すると、巨人化するまでの間に、体が硬直するということを語る。

 

リヴァイはそのことを島に着いてから度々、ジークに語らせており、人の命を実験で簡単に切り捨てていくジークのことを忌み嫌うような態度を見せる。

 

マレー人・ニコロの経営するレストランに招かれるガビ、ファルコを含めたブラウス一家。

そこにハンジ達調査兵団もやってくる。調査兵団が通された個室で、ジャンは上官たちが飲んでいたという高級ワインを発見するも、ニコロによってワインは奪い取られる。そこで、「マーレ人」「エルディア人」という口論が発生してしまうものの、ニコロはその場を去ってしまう。

 

ワインを持って地下室に入ったニコロに、三文芝居で食卓を抜けてきたファルコとガビが接触する。

そこで、ガビは自らが一人のパラディ島の兵士を殺めたことを嬉々として語る。そして、目の前にいるのがサシャ・ブラウス殺害の犯人であるということに気付いたニコロは、手にしたワインでガビに殴り掛かる。とっさのところで、ファルコがガビを庇った結果、ファルコは気絶してしまう。

 

ファルコを人質に、ガビをブラウス家に差し出すニコロ。そして、娘の仇として、この少女を殺害させようとし、さもなくば、自分がガビを殺すという。

 

そこに騒ぎを聞きつけた調査兵団が加わって制止するも、サシャの父はナイフを受け取る。

 

しかし、サシャの父は、生きる者を殺して喰らう「森」の生き方、そして、その「森」はただ、サシャたちが暮らす森だけの話ではなく、全世界が他人を殺して生きていく「森」なのだと気づいたと語る。

故に、この憎しみの連鎖を大人で止めなくてはならない、とナイフを手放す。

 

冷静になったニコロはファルコを解放し、ファルコの口を洗い流すように言う。

ニコロがジャンから奪い、ファルコを殴りつけたワイン。それは、マーレ軍が調査船で持ち込んだものであり、憲兵団の上官たちに飲ませるようにと指示されているワインだった。

ニコロにはそれが「ジークの脊髄液による巨人化」のための道具としか考えられなかった。

しかし、ジークの脊髄液を摂取した物には硬化の兆候が見られるはずだった。しかし、それが嘘だとしたら。いずれにせよ、ファルコを救出するため、ハンジ達はファルコの口を洗い流す。

 

しかし、負の連鎖を止めるためと納得した大人と違い、サシャに命を救われた子供・カヤはガビを殺害しようとする。

ミカサに制止され、家族に抑え込まれるも、泣き叫ぶカヤと隔離する為、別室にガビを連れていくミカサとアルミン。

 

しかし、そこに『新生エルディア帝国』の一団が現れる。そして、フロックはジークの居場所を知るハンジにエレンをジークの元へ連れていくように告げる。

 

そして、そこでニコロのレストランの店員が新生エルディア帝国と通じていたこと、フロックがジークの脊髄液入りワインについて知っていたことを知る。

 

そして、言葉を交わすことのなかったエレンとミカサ、アルミンの会談が始まる。困惑し、焦燥しているガビをその場に置いたまま。

 

喉元まで迫っていたマーレ軍の手

唐突に、冒頭でラガコ村で行われた大規模な脊髄液散布実験について語られました。

 

その中で感じたことは、マーレ軍が軍として壁内で行動していたことに対する驚きです。

理由としては

  • 巨人化能力者とはいえ、子供4人だけで潜入をさせた
  • 楽園送りの場面の描写

などから、マーレ軍側もパラディ島に上陸することを嫌っている物だと思っていたからでした。

 

大砲でも持ち出さなければ、巨人と戦う術を持たないあの世界で、マーレ軍も、壁内の巨人を脅威と感じている物だと思っていました。

 

更に驚いたのは、壁を突破していない壁の中でマーレ軍が行動していたという点です。あれだけの人数を巨人をかいくぐって動いたという点にも驚きです。それに、結局やったことと言えば、村一つ実験で潰したということだけ。

 

注射投与ではなく、散布実験を行うだけなら、楽園送りにする人々でも良さそうだったものの、わざわざ壁内まで侵入したにもかかわらず、結局、やったことは作戦上、嫌がらせ程度にしかならない物だったというのも不可解です。

 

車力の巨人が傍らに控えていたので、車力の巨人に乗ってきたのかと思われますが、それにしても結構大規模だと感じました。

 

ウォール・マリア奪還作戦の折、車力の巨人が壁内に侵入しているので、車力の巨人のスペックで壁を超えることはできるのでしょうが、それにしても大荷物と人を乗せて壁を上り下りするのは並大抵ではない気がします。

 

ラガコ村の真実が明らかになったと言えば嬉しいのですが、実際にはここはつじつま合わせの割を食った気がしないでもないです。

 

聖人サシャ父の語る「森」

ブラウス夫妻は、孤児を引き取ったり、ガビとファルコを事情を聞かずに留め置いたり、かなりの聖人っぷりを見せていました。

 

修羅場をくぐったわけでもないただの一般人がどうしてここまで聖人として覚醒できているのか不思議になるほどでした。

 

とはいえ、住む場所を失った人々を「自業自得」というサシャを諭したりと、サシャ父はかなり大局的に物事を捉え、理性的に判断している人の様でもありました。そう考えると、そもそも聖人の片鱗は見えていたとはいえ、さすがにここまで善人っぷりを見せられるとかえってびっくりしてしまいます。

 

主要人物は戦いを辞めたくとも、エレンやジークの思惑に巻き込まれる形で、戦いを続けざるを得ず、マーレに乗り込んで、人を殺めてきました。

 

兵士である以上、戦いを避けられない立場で仕方ないのかもしれませんが、争いに疲れた様子を見せながらも人を殺め続けるジャンとブラウス夫妻は対照的にも感じました。

 

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兵士の誰もが思っていながら、兵士の誰もができずにいた「戦いの連鎖を止める」をサシャ父ができたのは、ある意味では恐ろしい事とも感じました。

 

ですが、彼がああやってナイフを置いてくれたからこそ、ミカサやアルミンもガビを助けることができたわけですし、もし、サシャ父がガビを殺害していたら、それこそ、彼らも殺戮の連鎖にのめり込んでいってしまったかもしれません。

 

屍の山の高さで何かを決めるのではなく、そもそも誰もが屍の山を築いて生きているのだから、誰もが何らかの形で報いを受けるという、ある意味で超然とした思想の持ち主がサシャ父でした。

屍の山の高さについては71話のレビューで主に言及しております。

 

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ここまで超然とした支点と言うのは「神」のような存在を受け入れているからではないかと感じました。事の全てを見ていて、人間の市場を一切挟まずに、公平に全ての存在を裁いていく、平等の体現者としての「神」を感じているかのように思いました。

 

進撃の巨人の中ではあまり宗教は語られません。せいぜいがウォール教くらいです。神と言うワードも、イェレナとオニャンコポンの口から出ていないような気がします。

 

そんな世界で「神」を感じ、「森」と表現したサシャ父の心持は、古く山岳信仰で山を敬った日本人などと通じる精神を持っているかのように感じました。

 

そして、タイトル「森の子ら」はカヤや孤児たち、ガビやファルコだけでなく、屍の山を造り、生き続けていくしかない地上の全人類なのだということが、サシャ父の言葉から分かるのでした。

 

ガビとファルコ

 

ガビとファルコは進撃の巨人のFinal Seasonで欠かすことのできない中心的な存在です。

 

そして、二人は期せずして、それぞれ別の場所で、別の人物と、エレンが重要な話をする場にそれぞれ居合わせています。

 

ファルコは、マーレで、ライナーにエレンが正体を明かす場面に居合わせました。

ガビは、パラディ島で、アルミンとミカサが会談する場に居合わせることになりました。

 

この対峙が何を意味するのかは、73話で、エレン、ミカサ、アルミンの会談が明らかにならない事には分かりません。

 

ただ、敵地で敵と会話するエレンと一緒に居たファルコ、本来ホームで味方であったはずの幼馴染と会話するガビ。この二人は思考からして対象的に描かれる存在です。

 

なので、エレンが語る内容は、ライナーと語った者と対極の内容になると嬉しいと勝手に妄想しております。

 

 

終わりに

 

いつものことながら、進撃の巨人は毎回の密度が高く、要約するだけでもとてつもなく大変です。

 

ですが、それに見合うだけの人々の心の動きが描かれ、見ごたえがあります。その分、感想も長くなってしまいますが、それだけ伝えたいことが詰まっているアニメというのも、珍しくさえ感じます。

 

今回は「ジークの嘘」に始まり、「ジークの脊髄液の入っているかもしれないワイン」を巡る話が見事に流れていました。

 

もちろん、これだけの話は原作があってのことです。ですが、アニメとして(原作では複数あった話が)1話にまとめられることで、非常に通りのよい一話になっているように感じました。

 

今回も、お付き合いくださりありがとうございます!