ドムストの雑記帳

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かわいそうなキース教官【アニメ進撃の巨人 73話 暴悪】

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アニメ進撃の巨人 72話 暴悪のレビューです。

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前回はエレンがアルミンとミカサの目の前に現れ、何かを語ろうとするところで終わってしまいましたが、一体何が語られるのか。

そして、ジークの脊髄液入りワインの秘密が明かされたことで、不穏な空気が漂いつつあるパラディ島。

一体今回は何が起きたのでしょうか。

 

 

あらすじ

 

ミカサとアルミンと話がしたいと姿を現したのはエレンだった。

 

エレンは、単独行動の理由を「自由意志」による行動だと語った。

そして、アルミンがアニの元に通い詰めていることを、先代『超大型巨人』継承者・ベルトルトの記憶に侵食されている証だと指摘する。

さらに、ミカサはアッカーマンの血の習性としてエレンを庇護する対象と考えているだけであり、行為でもなんでもなく、ただ、血族の奴隷だと指摘する。

さらに続けて、不自由なヤツ、奴隷が嫌いだと言い放ち、アッカーマンとしての奴隷であるミカサを嫌悪していると言い放つ。

 

ミカサの冒涜を許せぬといきり立つアルミンだったが、ミカサは反射的にアルミンを抑え込んでしまう。エレンはその行動こそアッカーマンの奴隷の証であると畳みかける。

 

アルミンはそれでもエレンに殴り掛かるが、子供のころから圧倒的なケンカの力量の差があったから喧嘩しなかっただけだと言われ、あっという間に返り討ちにされてしまう。

そして、エレンはアルミン、ミカサ、ガビを拘束・連行するように命令する。

 

その頃、森の中に居たリヴァイはジークから獣の巨人を継承させることをピクシス伝えるよう指示する。

しかし、ジークは逃走し、更に叫び声をあげる。この叫びを聞いた瞬間、脊髄液入りワインを飲んでいたリヴァイの部下たちは巨人化してしまう。

同じく、ワインを飲んでいた兵団上層部やファルコたちは一瞬、電撃のようなものを感じる。

 

ジークは自身の能力で巨人化させた兵士を使って、移動をする。ジークはリヴァイが部下を殺すことをためらっている間に逃走を図ろうとしていた。

「選択肢があると思っていたことが敗因だ」と早くも勝ったかのように宣言する。

 

しかし、リヴァイは巨人を倒しきると、ジークに追いつく。観念したジークは自ら巨人となり、最初から弱点のうなじを硬化させ、リヴァイに挑む。

しかし、地の利を得ていたリヴァイにあっさりと雷槍を打ち込まれ、半死状態に陥る。

 

 

一方、訓練兵団では、エレンたちの教官でもあったキースが訓練生たちに講釈を垂れていた。しかし、訓練生たちは巨人と言う目先の敵を失い、緊張感を欠いていた。さらに、敵は近代兵器で武装した敵国であることから、今更、剣を振るって戦うということにも意義を見出せなかった。

そのため、訓練生の中にも、イェーガー派の思想に共感を持つ者もいた。

 

そこに、ハンジを連れたフロックたち、当の『イェーガー派』が乱入してくる。

フロックはし訓練生たちに「新しい体制に組するか、古い体制と心中するか」と迫る。そして、イェーガー派に傾倒する訓練生たちに教官であり、古い体制の具現者・キースを殴り倒すことを強要する。

 

キースはひよっこに屈するほどではないと息巻くが、結果、数の有利に任せた訓練生によって半死状態に陥ってしまう。

 

 

 

ジークが目を覚ますと、動けば雷槍で真っ二つにされる仕掛けをリヴァイによって施されている状態だった。さらに、巨人化能力を使えない様にと、リヴァイはジークを切り刻んでいくのだった。

そんな危機的状態の中でも、ジークは眼鏡の心配をする。その眼鏡は、ジークと共にキャッチボールをするような仲だったクサヴァーという人物と同じものだった。

 

 

原因不明のエレンの行動

 

作中でもアルミンによって言及されていましたが、エレンは結局何のためにミカサやアルミンと話をしようとしたのか不明でした。

 

ミカサもアルミンも「話がしたい」とエレンに言われた段階で、事のあらましを説明してくれることを期待したでしょう。しかし、実際には、エレンの持論を展開され、ミカサもアルミンも貶められるだけで何も聞かされませんでした。

 

しかも、今まで一切触れてこなかった、巨人化能力と記憶の継承、アッカーマンの従属性質などを並べ立て、二人を追い込むばかりでした。

 

子供時代、エレンとアルミンで喧嘩をすれば、確かにエレンの方が圧倒的に優位だったでしょう。ですが、子供時代のエレンは、強弱で敵を選ぶような性格ではありませんでした。

アルミンのことは本の知識、外の世界のことを教えてくれる尊敬できる友人だったから喧嘩しなかったというのが正しいでしょう。逆に、敵が強いか弱いかどうかは関係なく、自分の信念に背くような輩にはすぐにとびかかっていく性格です。このことは、ハンネスが取り戻したいと言っていた「日常」でも語られています。

 

結局、やったことといえば、この混迷を極める状況の中で、新しい知識をひけらかしてマウントを取ろうとしたくらいでしょう。

エレンの真意は分かりませんが、エレンは二人を突き離そうとしているように、憎まれようとしているようにしか見えませんでした。

 

ジークと会うということはそもそもの約束だったようで、日時も場所も示し合わされていたようです。そうなると、もう二人とは出会えなくなると考えていたからこそ、こうして最後に嫌われるようなことを言ったのではないのか、としか思えませんでした。

 

そもそも、それなら、マーレへの単独渡航をする前にしても良かったのかもしれません。ただ、イェレナから聞かされていなかった事実・計画を、ジークから聞いたことで、ミカサとアルミン、ひいてはハンジとは同じ道を歩めないと感じていたのかもしれません。

 

妄信的にエレンを祭り上げて、暴力と脅迫、扇動で人間を服従させていくフロックに対して、エレンの言動にはまだ、人間味のある部分があります。

わざわざ、いまだにハンジに「さん」を着けたり、ガビのことを、ただの「ガキ」と言わず、「サシャを殺したガキ」と呼んだりと、何らかの未練があるかのように感じさせる言動が節目節目で感じられます。

 

ジークとの計画も謎が多いですが、それに対して、エレンがどう感じているかについても、謎が多いままとなる回でした。

 

リヴァイVSジーク 第2ラウンド

第1ラウンドではライナーから警告を受けていたにもかかわらず、兵団を使い捨てるという暴挙でズタズタにされたジーク。

第2ラウンドでも周到な計画を張り巡らせておきながら、リヴァイの圧倒的戦闘力の前に、再び無残な姿にされてしまうことになりました。

 

かねてから心配されていた作画は、マーレ襲撃編の時ほど粗がないようで、少し安心しました。(あの時は、明らかにブレードが短くなったりしていたので)

とはいえ、WIT STUDIOの時ならばもっと激しい戦闘が描かれたかもしれないのが、雷槍の攻撃であっさりと屠られてしまったような気がしたのは残念なところでした。

 

ただ、『進撃の巨人 Final Season』の見せ場は血沸き肉躍る戦闘シーンではなく、民族・戦争・信頼・困惑といった、人間の群像劇です。なので、ここで戦闘シーンが駆け足気味だったことは、それはそれで仕方ないのかもしれないな、とは思いました。

 

 

ジークは「戦争ってよくない」と言いつつ、パラディ島の人間に対しては一貫して冷酷で、巨人として使い捨てにすることに対して一切の躊躇を感じさせません。

彼がガビと同様に、パラディ島の住人を悪魔だと思っているからとも思えないのですが、その思考回路はよくわかりません。

 

そもそも、この混乱の元凶がジークであることは明らかなのですが、一方で、エレンが本当にジークと同じ意思で行動しているかも不明なところがあります。エレンはエレンで最後の一手でジークを裏切るつもりがあるのかもしれません。

 

ただ、それでも、先に述べた決別の様相から、エレンがジークを狩るためにジークの味方のふりをしているという風にも見えません。

 

どこかのホラー映画のような仕掛けを施されて、人類最強の目の前に拘束されているジークですが、一体、この先どうなってしまうのでしょうか。

 

貧乏くじのキース

 

キースと言えば、『進撃の巨人』冒頭部では、鬼教官でしたが、中盤では、調査兵団・団長で「何の成果も得られませんでした!」を言っていた人物であることが判明、更には、エレンに想いを寄せていたが、グリシャに結婚されてしまい、エレンをグリシャからかばおうとするも、結局何もできずにいたという、つくづくついてない男でした。

 

さらに、登場して今まで通り説教をしても、結局、緊張感のない新兵にはまるで受け入れられていないと言った様子で、さらなる貧乏くじの項目が追加されました。

 

キースはフロックが銃をぶっ放しても、動じた様子もなく、フロックが新兵をけしかけてきても、啖呵を切っており、伊達に調査兵団の前線に居たわけではないことがうかがえます。

 

結果的には数に任せた新兵共にボコボコにされてしまうという醜態をさらすことにはなってしまいました。その過程は凄惨過ぎるということで描写が無かったのですが、おそらく、かなり善戦したのではないかと思われます。(勝手な想像にはなりますが

新人を罵倒する通過儀礼も、不用な人物をえり抜く目が確かだったり、その一方で、調査兵団としては無策で犬死をさせ続けるという無能な部分があったり、いつまでも傍観者と自分の無力を嘆くなどと、完璧人間ではない物の、度重なる試練で心が強い人間となったキースの魅力が一瞬光ったシーンに見えました。

 

終わりに

 

意味不明に終わったエレンとミカサとアルミンの会談。

相変らず巨人落下作戦を弄したが、相変わらずボコボコにされてしまったジーク。

思わぬところで登場してボコボコにされてしまったキース。

 

戦闘シーンが駆け足気味だったのは残念ですが、中々に見ごたえのある一回だったのではないでしょうか。

 

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