一部界隈で話題のSteamゲーム『One step from EDEN』購入いたしました。
これが大変面白い。まだ全クリアしているわけではないのですがすごく楽しんでおります。
非常にシンプルなつくりのゲームなため、クリア前ではありますが、レビューしてしまいます。
ゲームシステムの概略
一風変わったシステムだったので、まずはシステムの概略からご説明いたします。
4×4の陣地がそれぞれ自分と敵に与えられる戦場がプレイ可能なフィールドです。他の画面は用意されていません。
見ての通り、懐かしのロックマンエグゼシリーズと同じようなフィールドです。
デッキ内の『スペル』が2つランダムでセットされます。
セットされた『スペル』は時間経過で回復する『マナ』を支払って使用します。
一度使用した『スペル』はデッキが空になっておこなわれる『シャッフル』でリロードされるまで使えません。
このリロードは、自発的に行うこともできます。
セットされ、必要な『マナ』を支払える状況で初めて『スペル』を使えるようになるので、初期は『スペル』を思うように打てないかもしれません。
『スペル』は毎回の戦闘の後に、ドロップした3枚のうちから1枚だけを選んでデッキにセットします。
最初の方は、もったいないからと言って、とりあえず1枚『スペル』を貰っていました。
しかし、そうしていると
・個人的に使い勝手の悪い『スペル』
・必要な『マナ』が現在値を超えている『スペル』
がデッキにセットされてデッキが使いづらくなったのでやめました。
拾った『スペル』は自動的に『デッキ』にセットされ、ストックに回すと言ったことはできません。
店で買い取ってくれると思っていたらそうではなく、むしろ『スペル』を削除するためのアイテムを買う必要がありました。なので、パッと見で良さそうなもの以外は拾わないようにしました。
プレイヤーキャラクター自体の能力を強化して、『マナ』の上限を上げたり、回復速度を上昇させるものが『アーティファクト』と呼ばれています。画面上では左上に表示されています。
『アーティファクト』は宝箱を開けたり、レベルアップしたりすると、入手できます。
『アーティファクト』は『マナ』に関わるもの以外にも、バリアの展開、『スペル』のランダムな追加攻撃など、様々です。
これら『スペル』も『アーティファクト』もランダムに入手できるものですが、1プレイ限定です。死んでしまえば得たものすべてを失い、最初からやり直しになります。このシステムはローグライクゲームそのものという人もいます。
コツコツ積み上げた『スペル』を失う、と聞くと、それだけでこのゲームの過酷さを思い知らされます。
ですが、実際には、そのシステムによる恩恵の方が大きいのではないかと感じています。
毎回『スペル』をランダムで手に入れるという制約上、あまりに『スペル』の性能に差がつきすぎると、性能の高い『スペル』を手に入れられるかどうかの運ゲーになってしまいます。そのためか、『スペル』の性能に大きな差が無いように作られていると感じます。
そのため、特定の超強力『スペル』を求めて周回する必要がありません。同じ面を延々と繰り返し、ドロップの有無で一喜一憂する楽しさと言うのはあります。
ですが、このゲームでは、そんな手間のかかることをせず、毎回毎回を同じように楽しめるというのは非常に大きなメリットなのではないかと感じています。
・体力0になると最初からやり直し
・バトルフィールド以外のフィールドが存在しない
のは、格闘ゲームの様にも感じられます。
格闘ゲームとの違いは、格闘ゲームでは主人公の技は変化しないのに対し、このゲームでは主人公の攻撃は『スペル』によって変化します。
『スペル』では運が絡むことによって、「さっきはダメだったけど今回は行けるかも」と思えるようになります。運が全てではありませんが、運次第では、「さっきできなかったことができるかもしれない」、と考えると、それだけでモチベーションが結構上がります。
お手軽な割に難易度高めで楽しめる
すでに多くの方がほかのレビューで述べている通り、難易度は高めです。体力回復がかなり貴重なので、ごり押しだけでは到底突破できないでしょう。
連戦前提のシステムなので、一回でもヘマをしてHPを大きく減らすと、それを引きずって歩き続けることになります。
『スペル』も毎回ランダムドロップなので、特定の超強力コンボを通すというプレイには向いていません。
ただ、難易度が高いといっても、毎回、すべてがリセットされることもあって、そこはうまく調整されています。
敵の攻撃はさほどダメージは大きくありません。避けるのがかなり難しい攻撃もありますが、嵌め技で理不尽に殺されるということは少ない印象です。しっかり見ていれば、確実に避ける方法を見極められるようになっています。
(それでも、攻撃方法によっては苦手で見切れないものもあります)
そういう意味では、一回一回の戦闘に対する難易度で言うと、ロックマンエグゼシリーズの方が無茶を強いられている感じがします。
あちらは、より複雑な戦闘システムがゆえに、戦闘も熾烈だといえるでしょう。
ですが、逆に言うと、特定の装備・武器・素材を求めて、ひたすら周回をする現代ゲームとは違って、毎回毎回が本番として楽しめます。
レア素材を集めるために、何度も何度も同じ相手を屠る必要は全くありません。
さらに、『スペル』が毎回リセットされるというのは最初は理不尽さも感じました。せっかく集めた『スペル』が一切の救済措置なく、破棄されてしまうというのは、いい気分ではありませんでした。
ただ、『スペル』の属性を偏らせて、ある『スペル』が出やすくすることも可能です。また、多少、レア『スペル』のようなものがあっても、性能に大きな差を感じられるほどの強さの違いはありませんでした。
そのため、属性を偏らせておけば、そのうちお気に入りの『スペル』果てに入りますし、そうでなくとも、面白い『スペル』を手に入れてしまうと、意外と「すべてを失った」ことによる不満感や理不尽さはあまり感じなくなります。
意図的に『スペル』に大きな格差を入れなかった結果、周回と無縁で、毎回楽しめるゲームに仕上がっているという印象です。
タイトルでも述べているようなお手軽さは価格面とPCのスペック面の2つの手軽さです。
価格も2000円程度で、さほど高くはありません。対応しているスペックもWindows7で、CPUも古い物でも十分対応しているようです。ノートパソコンでも、よほど古いか安物を買っていない限り、十分にプレイできるでしょう。
私のプレイ環境は、スペックはそこそこ高いほうですが、ノートPCです。なので、Steamでゲームをインストールするのを少しためらっていたのですが、この手軽さのおかげで、楽しくPCゲーム生活を送っております。
PSO2をプレイできる程度の環境ではあったので、さほど気を揉む必要はなかったのかもしれませんが、買ったのにスペックが足りなかったというのは悲しいので、少し慎重になっていました。
Steamのゲームとしては、あまり珍しい要求ではないかもしれませんが、完成度はかなり高いと感じました
欠点:キャラクター周りが弱い
キャラクターに関する情報はあるのですが、タイトルにある『Eden』を目指す理由は特に触れられません。おそらく皆『Eden』を目指して旅をしていると思われるのですが、それならそれで、途中で喧嘩を吹っかけてくる理由もないような気はします。
一言プロフィールは、『Eden』やこの荒廃した世界について推測するのには不足です。極々最低限な情報しかありません。
もっと言うと、グラフィックは少し粗が見られ、ゲームタイトルとゲーム内のイラスト・グラフィックで見ると、ちょっとズレがあるんじゃない?と思ってしまいます。
イラストも、海外テイストの厚塗りメインな画風なので、人によってはそこで引っかかるかもしれません。(むしろこういう感じのスマイルは割と好き)
とはいえ、ゲーム性に特化して、あくまで、キャラクターは添え物であると考えれば、問題なく楽しめる範囲です。ストーリー性を期待してプレイすると、がっかりするでしょう。
そういう意味でも、淡白に「アクションを楽しみたい」という理由でプレイするのはお勧めです。
ついでに言うと、『人質』というシステムがあり、『人質』がダメージを負って死んでしまう前に、救出できれば報酬があるというシステムなのですが、これが結構難しい。
できればゲーム内であっても誰かを死なせるのは苦手な私としては、結構きついシステムです。
敵陣に居る場合には、敵や自分の攻撃に巻き込まない様に気を付ける必要があります。自陣に居る場合には、(大抵配置が決まっており)わが身を盾にでもしない限り、ほぼ救出できません。
我が身を盾にしたところで、体力を100回復してくれるだけで、実際には200被弾していると、損しています。
それでも、人が爆発するのは後味が悪いので、もう少し『人質』を助けやすいシステムにならないかな~と思っています。
現状のシステムバランスは気に入っているので、安易にバランスを崩壊させてほしくはないとも思うので、ここはメリットを減らすなどしても良いのかもしれません。
ちなみに、キャラクターの設定についての言及は薄いですが、テーマ曲はそれぞれ設定されています。
フィールド曲も、何種類か用意されており、シンプルながら、ワクワクするような楽曲で彩られています。(戦闘中はあんまり呑気に効いている暇はないですが)
Sound Trackは、Steamで1000円ほどで購入できます。40曲たっぷり用意されているので、1000円でも損した感じはしません。
Amazon music Unlimitedにも収録されているので、そちらで聞くのもお勧めです。
終わりに
シンプル極まりないストーリー、限定的なフィールドでの駆け引き、バトル以外の行動はほぼない。
これらはどれも、古いゲームを思い起こさせ ます。それは、「触った瞬間のワクワクが常に一定」という感触です。
確かに、高いストーリー性、キャラクター同士の掛け合い、広大なフィールド。それらはどれも魅力的な要素ではありますが、やはり、本質的にはプレイしていて楽しいかというころが一番大事です。
周回はなく、一回一回をシンプルに楽しめるゲーム。『One step from EDEN』。私はなかなか楽しんでおります。(現在進行形)