アニメ 86 エイティシックス 第2話 スピアヘッドの感想です。
差別対象『エイティシックス』にも対等に接しようとするレーナ。
戦場が日常の『エイティシックス』の『スピアヘッド隊』達。
その2つが少しずつ互いを理解し、しかし、スピアヘッド隊は気を許すことなく、物語は進んでいく。
あらすじ
スピアヘッド隊隊長<アンダーテイカー>ことシンは基地に戻るなり、先の戦闘での無茶と、それによって機体が破壊されたことについて整備士・アルドレヒトからお小言を喰らう。しかし、シンは先の戦闘で死亡した仲間の機体からパーツを取って使えばいいとにべもなく言い、コックピットに潜り込む、そして、コックピットの中にあった箱に、戦死した仲間の機体から取って名前を彫り込んだ大量のエンブレムに、先の戦闘で死亡した仲間の物を加えるのだった。
後日、帝国の無人機がまたも訪れる。上空を覆い尽くす軍勢を見てから素早く対応し、配置につくスピアヘッド隊。オペレーターである『ハンドラー』レーナの指示が出るよりも早く、スピアヘッド隊は迎撃ポイントに配置を完了していた。
どこをとってもポンコツな機体でもスピアヘッド隊の面々はうまく立ち回り戦いを続ける。アンダーテイカーにたしなめられる一面もありつつ、レーナもオペレートを続け、見事敵部隊の撃退に成功する。
共和国、士官学校とある教室にて歴史の授業が行われていた。
教師曰く、帝国はすでに無人機によって殲滅されたと推測される一方、共和国は無人兵器『ジャガーノート』で戦死者無しで帝国の襲撃を撃退しており、あと2年の帝国兵器の自動停止まで持ちこたえればよいとのことだった。
しかし、その講義に臨時講師として教壇に立ったレーナの見解は異なっていた。帝国襲撃時、共和国は85区までに国民を避難させる一方で、その外側、通称86区に有色人種を追放し、彼らに無人機とは名ばかりの『ジャガーノート』での戦闘を強いているというのが真実だと言い放つのだった。
しかし、生徒たちは『エイティシックス』は豚から進化した生物であり、人類ではないという教科書通りの言葉を呈する。レーナは『エイティシックス』も同じ人間であると言い放ち、講師をたじろがせる。
レーナの発言は処罰を免れぬほどのものではあったものの、叔父の権力を頼ってレーナはしたたかに処罰をかわすのだった。
そして、スピアヘッド隊から来る報告書を見ていたレーナはとあることに気付く。そして、スピアヘッド隊との定時通信の時間になると、パラレーダーを起動した。
その頃、スピアヘッド隊の仲間たちは変わらず食事をしたり、銃を撃って遊んだりしながら時を過ごしていた。アンダーテイカーたちは、レーナの指揮が的確だったことを認め、ただの優等生ぶりっ子ではないことを認めた。
そこへ、レーナから定時通信が入る。レーナはさっそく報告書を見て気付いたこと、「報告書が全く同じであること」を指摘する。前任者たちはまともに報告書を見てこなかったからこその行動だろうと理解を示しつつも、レーナはアンダーテイカーに映像データではなく報告書の提出を要求するのだった。
スピアヘッド隊のメンバーからは「学校に行ってもないのに報告書書けるかよ」と揶揄する言葉も飛んだが、レーナは構わず要求を続け、アンダーテイカーはどちらともつかぬ無気力な返事を返した。
作画・演出は大満足
1話はどちらかと言うと戦闘シーン・スピアヘッド隊よりも、レーナの方に焦点が当たっていました。
そのため、1話目では戦闘シーンやスタイリッシュな演出は抑え目な印象でした。
その分、今回はしっかりと戦闘シーンを描いてくれ、大満足の出来でした。
貧弱なタチコマ(『攻殻機動隊』に登場する小型多脚戦車)のような『ジャガーノート』の機械らしい挙動がしっかりと描かれました。
また、ピカピカの帝国兵器に比べ、ベージュ迷彩の名ばかりの『ジャガーノート』の見た目での対比もしっかりされていたと思います。
戦闘面・挙動面での対比がしっかりされていたかと言われると微妙で、名ばかりのオンボロメカである『ジャガーノート』のポンコツ加減についてはあまり描写されていなかった点は残念でした。
レーナを驚かせるほどのアンダーテイカーの無茶な戦闘は、アルドレヒトからお小言を食う程度に機体に無理をさせています。なので、そこの描写が(会話の中だけでなく)きちんとメカとして描写されるとメカアニメとしてもカッコよくなるのかもしれません。しかし、惜しむらくはこのアニメ、おそらくメカアニメにはならないと思うので、そう言った描写が出てくることは無いのでしょう。
また、対比ついでで思いついたことは、ある意味で、『エイティシックス』たちは白銀の帝国兵器と、銀色の髪を持つ『ハンドラー』達にこき使われ、銀色合点的なのかもしれないな、とも思いました。(これは本当にくだらない感想ですが)
敵機体名はテロップが出るのかぁ
先週の感想では「専門用語が多いわりに解説がほとんどない」ということを述べました。
そして今回、めでたく「漢字+カタカナ」で専門用語のテロップが表示されました。
しかし、それは主人公たちサイドの用語ではなく、帝国の兵器に対してでした。
私としては「逆じゃね?!」と思いました。むしろ、主人公側・共和国サイドの用語こそしっかりとテロップを入れて説明し、なんなら説明演出を追加してくれてもいいぐらいに思っています。
一応、レーナの講義と言う形でやっと『86』の意味が明確に解説されたりもしたのですが、もうちょっと丁寧でもよかったと思います。ここの説明で手を抜くと、本当に視聴者がどんどん置いていかれていくことになるので、ここの説明はもう少しきっちりやる、ちょっとくどいくらいでもいいはずです。
にもかかわらず実際はテロップ解説は帝国の兵器でした。確かに帝国の兵器についてタラタラ解説していると、そっちの方がメインに見えるので、説明をカットする意味合いで、テロップで済ませたというのは英断なのかもしれません。
終わりに
作画・演出は安定している一方、相変わらず説明は簡素に済ませてしまっている点が少し残念でした。
大満足と言っておきながら大分ケチをつけてしまったので、もう少し擁護しておくと、1話目ではなんとなく不足を感じていた盛り上がりがしっかり描写されていたことについては本当に満足しています。
むしろ、レーナの日常を通して世界を見ていた1話と2話を入れ替えて観た方が、世界観に引き込まれるのではないかと思ってしまうほどでした。