すばらしきこのせかい The Animation エピソード6 テリトリーの感想です。
ネクはヨシュアが自身を殺したことに気付く。それでも協力を断れないと知っているヨシュアはネクと行動を共にする。
そして、死神ゲームは破天荒なゲームマスター・ミナミモトの手によって次々ととんでもない方向に進んでいく。
あらすじ
パートナーのヨシュアが自分を殺したということをネクはとうとう知ってしまう。しかし、それでもヨシュアは態度を変えず平然としていた。
戸惑うネクはヨシュアに目的を尋ねる。ヨシュアが語る目的は「渋谷を正しく導くこと」そのために、渋谷を支配している『コンポーザー』に接触することだった。そして、ハネコマから受け取ったエネルギー探知アプリはそのためのものだった。
ネクとヨシュアがアプリの指し示す方向へと向かうと、そこにはミナミモトが『禁断ノイズ生成陣』なるものを地上にかき込み、そのまま飛んで行ってしまった。『生成陣』自体は未完成ではあるものの、生成陣は禁断ノイズを発生させる危険な代物。その時、生成陣を見ていたのはネクとヨシュアだけでなく、死神・ヤシロも同じくその生成陣を発見していたのだった。
死神ゲーム6日目
相変らずミッションはなく5日目が終了し、ネクとヨシュアはハチ公前で目を覚ます。ハネコマのところへ行こうというヨシュアだったが、ネクは気乗りしない様子だった。
それでもヨシュアの説得に応じて、ネクはついていくだけならと渋々承諾する。道中、壁でふさがれてハネコマの店への道が封じられているところに出る。
そこへノイズによる襲撃を受けるが、二人は難なくこれを一蹴する。しかし、更なる強力なノイズが登場し、危機的状況に陥る。ところが、タイミングよく現れた死神ビイトがノイズごとネクを吹き飛ばし、そのままノイズを消滅させてしまう。
そこに二人の死神・ヤシロとカリヤが苦言を呈する。曰く、死神ビイトによるネクへの攻撃がルール違反だということだった。しかし、ビイトはキタニジからの指示だと言い、正当なものであると主張する。
そこへ、カリヤのところへ禁断ノイズ駆除の指示が出る。ヤシロはそのままビイトを引き連れ、カリヤと共に禁断ノイズの駆除に向かうのだった。
先ほどのノイズを倒したことにより、壁の封鎖が解かれ、そのままハネコマの店へと向かう二人。しかし、ネクはヨシュアへの不信感から一人になりたいと外で待つことにした。
そこに先日、ネクとヨシュアに禁断ノイズについて忠告して来たカップルが現れる。カップルはネクの事情を聞いても、今を楽しむこと、シキがネクを恨んではいないであろうことなど、ネクの悩みに明るく答えてくれるのだった。
そうこうしているうちにヨシュアが店を出て、ネクとヨシュアはぶらぶらと歩き始める。道中でネクは『CAT』のグラフィティを発見し、興奮する。
ネクは外部とのコミュニケーションを嫌っていたが、『CAT』の発信する価値観に衝撃を受け、更にはシキとの交流もあって、コミュニケーションを拒絶する気持ちが少しずつ薄れていた。
そんな時に、ヨシュアがふとしたことで『CAT』の正体がハネコマであることを明かしてしまう。衝撃の事実にネクは年相応に照れたり恥ずかしがったり興奮する。
しばらくのち、ハネコマのアプリで高エネルギー反応を見つけたヨシュアはそこへ行こうとネクを誘う。しかし、シキのこともあってゲームで生き残ることに拘るネクはそのことを嫌がるのだった。
それでも、ヨシュアに行ってみるだけと説得され、またしても渋々その場所へ向かう。そこは蓋をされた川への入り口だったが、真っ暗なこともあり、ネクがその先に進むことを止めると、ヨシュアもそれに応じて引き返すのだった。
二人で歩いているとまたしても強力なノイズに襲われる。前と同じく連携攻撃で撃退しようとするも、このノイズには連携攻撃ですら通じなかった。
そんな相手に、ヨシュアは奥の手を使い、天使のような光の像から放たれる光で強力なノイズを一掃する。
しかし、そこをヤシロに見とがめられる。さらに、ヤシロからヨシュアは「聖者であるにもかかわらず死神ゲームに参加している」というルール違反を指摘される。それでも、死神でも手を焼く禁断ノイズを処理したということで、今回は見逃すが、次はないとだけ言い、ヤシロはその場を去っていく。
ヨシュアが生きているということを知ったネクは激昂し、今までの疑問をぶちまける。しかし、それに対してもヨシュアは淡々と、それがどうしたと言い放つ。
ネクが生き残るためにはヨシュアの力が絶対に必要だということをヨシュアは分かっているからだ。
死神側ではヤシロとカリヤが禁断ノイズについて、ミナミモトが禁断ノイズ生成陣を描いていたことについて、コニシに報告を入れていた。コニシはキタニジへの報告を行うと受け付けるが、ヤシロはそれで間に合うのかと言う一抹の不安を感じるのだった。
その最中にも禁断ノイズによって死神たちが命を落としていっているのだった。
そして、当のゲームマスターにして混乱の元凶・ミナミモトは更なる展開に心躍らせているのだった。
やや盛り上がりに欠けたまま前半終了へ
色々と謎が出てきているのは事実です。
シキはきちんと蘇ることができるのか、ビイトとの決着はどうなるのか、ヨシュアの目的とコンポーザーとの対決はどうなるのか、などなど色々な謎が出そろってきた感があります。
ところが、いまひとつ盛り上がりに欠けているような気がしてなりません。
死ねば終わりのデスゲームである以上、戦闘で敗北することが許されないのは分かっているのですが、危機的状況でもパートナーのタックルによる緊急回避で無傷で済んでしまうので、緊迫感が無い感じがします。
緊迫感を生むと言えば、『禁断ノイズ』のような超強力な存在が挙げられます。彼らはゲームの運営側で絶対安全サイドに立つはずの死神ですら襲うという点で、緊迫感を持たせる存在になりえると思うのですが、あんまりそういう効果は発揮できていません。
おそらくですが、ヨシュアとネクが連携攻撃で結構手っ取り早く倒してしまうので、驚異的な存在であるという印象が薄いのだと思います。
個別のシーンで言う緊張感も気になりますが、それ以上に物語全体の進展の緊張感も薄いです。次のエピソードが楽しみではあるけれど、別にそんなに急いでみる必要もないかな、と思ってしまうような感じがしてしまいます。
緊張感と言うのは難しい物で、自分でもどうやって表現すればいいのか、具体的には分かりません。
ただ、この調子であと残り半分進んでいくとなると、ちょっと不安な感じはします。(それでもシャーマンキングよりはかなりマシなのですが)
ハネコマさんCATだった
普通に考えてみれば納得のいく話で、
- ハネコマの店の名前にCATと入っている
- 「今を楽しむ」と発言している
- 場所もCAT STREET
なので、ハネコマがネクの憧れの人『CAT』であることは納得が行きました。
個人的にはCATは『コンポーザー』説を推していて、ヨシュアがネクを殺したのもコンポーザーの思想に近い存在であるネクを死神ゲームに引き込むことで、コンポーザーを表舞台に引きずり出すというような筋書きを考えていました。
ただ、今回の話で、その説が完全に吹き飛んでしまいました。
ヨシュア自身がコンポーザーであるわけではなく、むしろコンポーザーとは敵対関係にあることも今話で判明しました。
キタニジはコンポーザーの代行者であることを自負し、死神の中でもトップクラスの地位を持つようですが、決してコンポーザー本人ではありません。そうなってくると、コンポーザーがどんな人物なのか気になってくるところです。
(いつの間にか話がCATからコンポーザーに映ってしまいました)
しかし、ハネコマさんはカフェの経営に死神ゲームへの干渉、さらには匿名グラフィティアーティストと本当に忙しい生活を送っています。本当に何者なんだという感じです。
死神ゲームに干渉している事は前話で明かされましたが、結局、その真意は相変わらず不明なままで、理不尽に立ち向かおうとしているだけでは説明がつかないくらい協力を惜しまない協力者です。
コンポーザーの謎もそうですが、ハネコマに関する謎も今後もっともっと明らかになっていってくれると嬉しいと感じます。
終わりに
謎が少しずつ解明される一方で、次なる謎が提示されて行くストーリーラインは見ていていつまでも飽きが来ない構成になっています。
一方で、部分部分で見ていくと、緊張感に欠けるというか、スリルさにかけており、なんとなくで話が進んでしまっている感じがします。
おそらくこの部分が改善されることは無いとは思うのですが、出来れば抜本的に色々なところを見直してほしいな、とは思いました。
とはいえ、なんだかんだ言いつつ次回も楽しみにしています。