あらすじ
サイネットが断たれ、怪異が出現し、ユイト達は混乱の只中で刃を振るうことに。
セト隊のオペレーター・ワタルからユイトに向けたテレパシーで本部の情報が共有される。本部はサイネットの復旧を急いでいるものの、混乱が続いていた。ワタルはユイト達にとにかく怪異に対処することを指示する。
そして、ワタルはその最中、怪伐軍本部が包囲されていることに気付く。
包囲しているのは『セイラン方面軍』。ワタルはこれがクーデターであると断じる。
仲間たちにワタルからの情報を共有するユイト。そのまま戦場で刃を振るうが、一方で本部に居る兄と父のことを心配されもしていた。そして、ユイトはこの騒動を引き起こしたカレンのことに思いをはせる。
カレンは怪伐軍兵士の中でも最強の兵士であり、多くの人々の憧れの的だった。そして、訓練生時代からカレンに期待を寄せられていたと聞いて興奮する程度には、ユイトもカレンにあこがれていた。
そんなカレンがこんなことをしでかしたということへの疑問をぬぐいきれずに、山場を乗り切ったユイトと仲間たちのところに、連隊長・フブキが姿を現す。
混沌とした状況の中、ユイト達がどちらの勢力か尋ねるフブキだったが、ユイト達がカレン側ではないと知ると、ユイト達はフブキの指揮下に組み込まれる。
フブキとユイト達が行動を共にし始めると、カレンの弟・ルカがそこに合流する。
さらに、町中のディスプレイが映像を映し出す。そこに映し出されたのはカレンだった。カレンは演説をはじめ、サイネットには恩恵がある一方で、脳力を通じた接続によって反体制思想を持つ者を洗脳してきたと説く。
フブキはユイトに兄と父のいる本部へと赴くようにと指示を出す。しかし、現れた怪異が道をふさぐ。それでも仲間たちが足止めとなってくれて、ユイトの進路を守ってくれる。
ユイトはそのまま本部まで駆けだす。しかし、その内心では父親への想いに葛藤があった。ユイトが怪伐軍入りを決めた時、父親は反対した。スカウトもされず、適性の低いユイトは訓練生を経て怪伐軍に入る道があるにしても反対だった。そして、父に言わせれば、死んだユイトの母が怪伐軍入りを喜ぶのかと言う疑問がついて回るのだった。
それでも父の反対を押し切って怪伐軍に入隊したユイトに対して、反対と言う立場を見せつつも、一人前になったと祝辞を送ってくれたことも事実だった。
そんなユイトの父はその頃、避難路を走っていた。護衛の兵士はいるものの、次々と仲間が怪異に襲われて行く中、一人、走り続けていた。
そして、ひとしきり走った先で、突如目の前に怪異が出現する。もう終わりかと思った瞬間、怪異は一撃のもとに切って捨てられる。
なんとか父のもとに追いつきかけたユイトは数々の兵士が無残にも敗れ去り、命散らした様を見つめて歩みを進めていた。
ユイトがついに父のところにたどり着いたとき、そこには倒れた父とナイフを手にしたカサネが居た。
カサネが父を襲ったのか。そんな思いがユイトの頭をよぎった時、カサネらしき人物がナイフを手にユイトの方に走り出す。
状況が落ち着かない
地下通路での戦闘以来、ほとんど状況が落ち着かないままほぼノンストップで駆けてきていると言ってもいい状態です。
本当のことを言うと、地下通路戦闘の後、少しばかり皆が落胆しているシーンが入ったのですが、それでも落ち着いていません。
結局、何が問題なのかと言うと、登場人物が多すぎて、情報が整理しきれないのが問題かと思われます。もっと図や相関図みたいなものを駆使してくれればなぁ、と思わずにはいられません。
本作の原作であるゲームであれば、アーカイブなどから適宜情報を確認して進めていくこともできます。なので、ゲームのペースで話を進められると当然困惑します。
ただ、ゲームはもっといろいろなイベントを時間をかけてやっているのではないかと思います。これは後述する内容に関係するのですが、ユイトの超脳力のスペックが猛烈に上がっているのは、その辺の事情が絡んでいるのではないかと思っています。
とにかくメインシナリオを1クールの中で消化しようと必死な感じがしてしまいます。序盤から大いに盛り上がる展開と言えば、それはそれで良い事ではあると思います。ただただ緩慢な説明ばかり続いても飽きてしまっていたでしょう。
だからといって、激流のように押し寄せる情報の波にのまれてしまい、世界にどっぷり浸れないほどというのは考えものです。もっぱら考察や先の展開を予想するのが好きな方ですが、本作ではそこまで脳力が追いつきません。
1話の段階から登場人物が多いなぁと思い、第2話でも整理されないなぁと思い、そのままここまで来てしまっているので、情報が整理されないのは本作の宿命と思った方がいいのでしょう。
それはそれで悲しい事なのですが。
出力が猛烈に上がったユイト
今回の見どころと言っていいのは、ユイトの戦闘シーンでしょう。猛烈に出力が上がっています。1話の段階では物1つ動かすのがやっとで、小型怪異をカサネと協力して倒すのがやっとでした。
ところが、今は刀と念動力を駆使して小型怪異数体を一気に相手取って始末できるほどに成長しています。
ユイトの戦闘記録は
- 初戦(カサネの援護を受けて小型怪異1体を始末)
- 戦闘訓練(カサネと互角)
- ゲンマの反乱(カサネの介護でほぼ戦闘せず)
と言うところからの今回の騒動です。
それ以前に訓練生としてそれなりに戦闘訓練を積んできているはずですが、今までの戦闘では全くと言っていいほど役に立てない兵士でしたが、突如として、この混乱の最中に覚醒しました。
銃で武装した怪伐軍兵士、盾装備の要人警護部隊が怪異に蹂躙される中、かなりの距離を怪異を始末しながら突破できたユイトはもはや現段階で怪伐軍でも屈指の戦闘力の持ち主に見えます。
当然、上述の怪伐軍兵士と超脳力部隊はそもそもの基礎能力からして違っている可能性はあります。もっというと、ああいう銃火器で武装した兵士は集団による制圧が主戦法になるので、こういった指揮系統が乱れた戦場では十分な力を発揮できないという擁護もできると思います。
それでも単独でかなりの距離を突破できたユイトの実力はとんでもない物です。仲間たちは「ここは任せろ」と見え切っていましたが、明らかにその後ユイトが相手した怪異の方が多い気がします。
流石に現時点でカレンやセトに追いつけるというと無理でしょう。けれど、これだけの出力を出せれば、彼女には失礼ですが、カサネぐらい圧倒できるんじゃないかと思います。
そのカサネが異空間での探索や謎の人物との邂逅で超脳力が超強化されていたら話は別ですが。
終わりに
相変らず情報は整理されないままではあるものの、話は突き進んでいきます。快刀乱麻の活躍を見せるユイトに襲い掛かるカサネ。正直、今のカサネじゃ相手にならんと言う気もしますが、いかんせん、メンタル面が弱いユイトは足元救われることになるかもしれません。