あらすじ
主人公・ユイトは過去に自分を救ってくれた女性怪伐軍兵士の面影を、カサネ・ランドールに見ていた。
一方、カサネは「スカーレットスプリングを放すな」という夢を見続け、うなされてされていた。
カサネは非番の余暇を楽しむべく町へ繰り出そうとする姉・ナオミに同行し、姉に寄ってくる男ににらみを利かせようとしていた。街中では、「脳力」によるネット通信と「超脳力」による怪伐軍の説明映像が流れていた。
丁度その頃、ユイトとナギも同じく余暇で街に繰り出していた。ユイトはその道中、ナギにカサネについて話す。怪伐軍の兵士は老化を止める施術が施されるため、ユイトを助けた女性の見た目が変わっておらず、カサネだったとしてはおかしくないという話だった。とはいえ、同期入隊であるカサネの年齢はやはりユイトと同じ16才だろうということでひとまず決着する。
向かう先はユイトの祖先にして建国の祖の墓のある場所だった。丁度そこでカサネたちと合流するユイト達。ナオミに言い寄るナギに警戒を強めるカサネだったが、4人で一緒になって名物の神籤を引くことに。
ナオミだけが大吉を引き、それ以外の三人は大凶という不穏な門出だったが、ナオミは神籤を縛って残りの3人を気遣うのだった。
その後、訓練のために各隊に分かれた4人だったが、すぐに合流することになる。ユイトとナギの所属するセト隊と、カサネとナオミの所属するキョウカ隊の合同訓練と言う運びになったのだ。
隊同士での模擬戦の最中、ユイトに興味を持っているナオミのためにと、カサネはユイトを試すことを決意する。そして、各隊のメンバーが一対一で向き合う中で、カサネはユイトを標的に、執拗に攻撃を繰り出す。ユイトは逃げまどいながらもなんとか無傷でカサネの攻撃をしのぐ。
ナギはナオミと刃を交えるが、その様子はどこか和気あいあいとしていた。
結局、セト隊の先輩隊員によって勝利条件が達成され、訓練は終了する。ユイトは見せ場こそなかったが、カサネからは一定の評価をいただくのだった。
その時、ユイトの父親から音声メッセージが届く。内容は、形上のユイトの怪伐軍入隊の祝いと、母親について話す機会を設けたいから食事を一緒にしようという誘いだった。
するとユイトとカサネたちの隊に出動要請がかかる。現場に急行し、地下トンネルに潜る2隊。それぞれの隊に別れ、2つの地下通路を進んでいく。
しかし、上部から天井を突き破って怪異が乱入してきて、現場はかき乱されてしまう。それによって壁が破られ、ユイト、ナギ、カサネ、ナオミは合流することができた。
何とか怪異と交戦を続ける怪伐軍隊員たちだったが、更に今までよりも一回り大きな中型怪異が襲来する。孤立した状態で、ユイトとカサネはこれを何とか撃退する。
しかし、中型怪異が乱入してきたことで、ナギとナオミだけが向こう側に分断されてしまう。しかも、向こう側から多数の小型怪異が迫ってきている。
予断を許さぬ事態に、ユイト、カサネ、先輩隊員の3人で同調し、超脳力の出力を向上させ、瓦礫の撤去をする。
間一髪でナギとナオミの退路が作り出せ、ユイトは(前回は一体倒すだけでやっとだった)小型怪異を複数一刀両断する。
なんとか怪異を退け、一息ついたとき、ナオミはカサネが血まみれになっている未来を予知する。即座にカサネを庇って突き飛ばすナオミ。さらに響く狙撃音。
カサネは無事だったものの、ナオミが胸を撃ち抜かれてしまう。
撃たれたナオミは突如結晶化してしまう。
多いぞ登場人物!
ユイト、カサネを中心として、相棒のナギとナオミに加え、各々の小隊のメンバーに加え、上層部や複数の怪伐軍中堅隊員など、とにかく登場人物が多いです。
(原作である)ゲームだと情報を見返すタイミングも多く、自由に動き回るタイミングで話しかけたりして、情報を補完していくこともできるのですが、アニメはひたすら一方的に情報を与えられることになるので、大変です。
普通に視聴しているだけならば、「何かよくわからんけど、混乱するほどではない」のですが、感想を書こうと思って逐一ストーリーを追おうとしていると、かなり大変です。(これでもかなり描写を省いています)
ある意味、軍隊と言う組織をリアルに描こうとすると、それだけ関与する人間が増えてくるのは仕方がないのですが、そこをどう割り切りつつ、リアルな描写をできるかというのはストーリーテラーとしての腕の見せ所としては非常に大事なところだと思います。
特に、私はあえてサイトを見たりして情報を補完することをせずに、アニメ単体で視聴を続けて、情報を得るようにしていますが、それだと、大半の人物の名前が抜け落ちます。(単純に私の記憶力の問題かもしれませんが)
なので、そう言ったところにも気を遣いつつ、人数が増えがちな軍隊と言う物をリアルに描くためにはどうすればいいのかという課題に対するアンサーはこのアニメにはないように感じました。
2000年続く国家
フィクションの中での歴史の時間って難しいところがあると思います。この地球において、2000年間続いた国家はありません。人によってはあると言う人もいますが、体制や統治システムが変化している以上、どれほど国名が同じでも別の国家だと思っています。
本作に登場する国家はなんと2000年間続いており、しかも、建国の祖の一族がいまだに政権中枢に居座っています。そんなことってありえるのか?!と思っています。
さらに、怪異出現によって地上が滅びかけ、怪異と戦って建国の祖となったということなので、怪異は2000年以上も居座り続けていることになります。
2000年間人類は怪異を倒せないでいるわけです。その間、人類は何をやっていたのでしょう。
逆に、ユイトが怪異の根本を叩くなどと言うことになったら、今までの2000年の積み上げって無駄だったんじゃないかと思うほどの急展開になります。
あくまでフィクションなので、現実世界とは違います。なので、2000年間続く国家であったり、2000年間解決しなかった問題が一挙に解決するということはあるかもしれません。
ただ、それにしたって、2000年は盛り過ぎじゃないかと思うのが、思考が現実に引っ張られがちな私の意見でした。
せめて200年くらいならちょうどいいような。世界観も和+サイバーパンクなので、江戸時代を意識するのはおかしなことじゃないと思います。
おわりに
登場人物が多いということで、細かな情報まで拾いきれてはいません。こうなってくると、少ない登場人物でコンパクトにまとめた『すばらしきこの世界』ってすごかったんだなぁと思いました。