ドムストの雑記帳

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サマーウォーズ黒幕は佐久間説【冗談考察】

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言うまでもなく、サマーウォーズは毎年夏になると金曜ロードショーで放送される人気映画です。

最初は気弱な主人公が、やがて成長して、皆で協力して大きな危機に立ち向かう王道のストーリーは何度見ても良い物です。

貞元先生のキャラデザはもっと良い物です。

さて、そんなサマーウォーズの最大の黒幕であり、あのラブマシーンすら駒の一つとして動かしていた人物は佐久間敬である、という考察についてとことん語っていきたいと思います。

 

 


佐久間 敬のプロフィール

まず、佐久間敬がどういう人物かおさらいしていきましょう。

 

佐久間は冒頭から主人公の健二と行動を共にしていますが、舞台が陣内家に移ってからは、もっぱら電話やアバターでの登場となります。それでも常にOZ内で彼らの行動を見守り、サポートしてくれる存在です。

健二のアバターが強奪され、テレビでニュースになっていると、それをいち早く本人に伝え(あの部室テレビあったか?ネットニュースで見たんでしょうか)、そのトリガーとなったメールについても教えてくれ、実は健二が無実であることも教えてくれます。

 

また、非常に手際が良く、健二のアカウントが奪取されていることを知ると、(よその家の)電話でアカウントを取得してしまえるほどの技量を持っています。

その後も、バトルエリアへの不正改造を解説したり、ラブマシーンのログを追跡したり、その活躍は、目を見張るものがあります。

 

最終的には大団円を迎えて盛り上がる健二や陣内家の面々に電話で祝いを述べながら、彼の登場シーンは終了します。

そんな善良で、協力的で、友人としても良いヤツな佐久間が黒幕としてどう動いていたのか、ご説明いたします。

 

佐久間 敬のシナリオ

そんな彼が、どういう風に何を仕組んでいたのか、時系列に沿って説明します。


まず、彼は、米軍にラブマシーンの存在を知らせ、一方で、制作者である侘助には実家への恩返しとして大金を得られるチャンスだと吹き込みます。そのまま、ラブマシーンのの実験場としてOZを(おそらく匿名で)提案したのかもしれません。

 

しかし、世界最強のセキュリティは伊達ではなかったため、友人と共にセキュリティの末端のバイトをします。この友人が、健二です。そして、彼と雑談をしながら、ごくわずかなセキュリティホールを作り、ラブマシーンを呼び寄せるきっかけを作ります。

このとき、健二を誘ったのは、友人とたむろしたがる普通の高校生を演じる為と、健二を今後の事件の中枢に据える意思があったからでしょう。

 

その一方で、夏樹先輩が物理部の部室にやってくるように仕向け、そのまま勢いで、健二を陣内家に送り込みます。あそこで夏樹先輩のバイトに立候補したのは健二を勢いづかせるためであり、本人には行く気などさらさらなかったでしょう。

 

そもそも、何らかの導きが無ければ、夏樹先輩ほどの人気者が、(臭そうなオタク部物理部部室を訪れ、彼氏役を募集するはずがありません。

 

そして、健二は思惑通り陣内家に旅立ちました。

その後、ラブマシーンの暴走、栄おばあちゃんの死、健二の決意、ラブマシーンとの対決を経て、健二は夏樹先輩と恋仲になり、ハッピーエンドを迎えたのでした。

 


佐久間はなぜそんなことをしたか


米軍にコンタクトをとってしまうほどの佐久間にとっては、自分の人生はもはやすべてが思うがままだったと言えるでしょう。全てのことが簡単すぎて、退屈にすら感じていたでしょう。

全てが思うがままの退屈な人生の中で、他人の人生を操ることに、いまだかつてない難題の魅力を感じたのかも知れません。

 

彼が友人としてつるんでいた健二は、才能こそあれど、ここ一番で実力を発揮できない弱気な人物です。冒頭で出てくる、数学オリンピックが予選落ちだったというのがそれを暗に示しています。落ち着いてやれば通過できたであろうことは、彼が深く落ち込んでいることから推測できます。
人間はできると思っていることが出来なかったとき、とても深く落ち込む生き物だからです。

 

その彼を、英雄に、あるいは、思い人の彼氏に仕立て上げるために、最終的には人間的な成長をさせるために、わざわざあそこまで派手な芝居を打ったのです。
全ては一人の人間の人生を自分の力で変化させるという目的の為です。

佐久間からすれば、それはゲームを作ることと同じだと言えたでしょう。健二にとって難しすぎれば諦めてしまうし、簡単すぎれば、健二は成長もないまま、ゲームをクリアし、何の変化もなく、ケロッと部室暮らしに逆戻りです。


話のスケールを設定し(OZの危機)、そこから逃げられないようなリミットを付け(夏樹先輩、健二の濡れ衣)、それを解決できる力がある(健二の数学能力と、陣内家のバックアップ)環境を全て整えたのでした。


そして、設定した者たちの動きが活発になり、健二の手に負えないような始末になれば、積極的に事態に介入し、上手く行くように、難易度を調整したのでしょう。
彼が協力的だった理由はそこにあります。

 

当初は、慌てふためいたり、主体性のない行動が目立つ健二も、おばあちゃんの死や、悲嘆にくれる陣内家の皆(とりわけ夏樹先輩)を見て、自らが立ち上がり、戦いを挑むことを決意します。

そうやって、(佐久間の用意した)覚醒イベントを経て、健二は、精神的な強さと、彼女を手に入れ、圧倒的成長を遂げたのです。

自分の人生が退屈ならば、他人の人生で楽しめばいいという、超人の発想だと言えるでしょう。

 人を追いつめるのは、力のある者ならば簡単です。数で追い落とせばいいだけの話ですから。しかし、今回のような、精神的な成長と言うのは非常に絶妙なバランスを要求され、かつ、それを本人に気付かれずにするのには、多大な労力が要ります。

 

まさに、人生に退屈してしまうほどの天才が挑むのに相応しい超難題だったのではないでしょうか。 

 

おわりに


さて、茶番でしたが、いかがだったでしょうか。


佐久間は舞台(陣内家)に居ないのをいいことに、デウスエクスマキナのような役割を背負わされています。
基本は電話越しで、話すばかりで、どういう風に行動しているのか謎です。(一日中あの部室に居るんじゃなかろうか

その余白を埋めて、本物のデウスエクスマキナに仕立て上げてみたので、個人的には(おばあちゃんを殺した罪が間接的にかかってしまうとはいえ)そこそこ気に入っている考察です。

正直、佐久間君あれだけ頑張ったんだから、陣内家に呼ばれてパーティーで歓迎してもらって良いと思うんですが、友人のラブラブ生活に気を効かせたり、出来過ぎた男です。

 

当の本人はあの汚い部室で一人でアンパンかじるだけの生活なんて想像しただけでも涙が出ます。本編内の描写だけ見れば、健二の努力が報われた割に、陰の功労者にもかかわらず、佐久間はあまりにも報われません。

 

そんな彼に、黒幕の地位とそこにたどり着くほどの強大な才能を与えるのは、皆さん嫌でしょうか?