あらすじ
合同訓練が終わり、緑谷は心操に賛辞を送る。賛辞を送られ、編入合格も視野に入っている心操はまんざらでもない表情を浮かべる。
物間は緑谷の個性をコピーしきれなかったことから「スカの個性」と言っていたが、緑谷からしてみると、『ワン・フォー・オール』の破格の力を適合していない力で使えば、四肢が爆散するという危機に身を晒していた物間の行動が気が気ではなかった。その折に、相澤は物間に声をかける。
授業終了後の夜、緑谷、爆轟、オールマイトは『ワン・フォー・オール』の秘密の訓練を行っていた。爆轟の持論では、追い込めば個性は伸びるということで、緑谷を屠り倒しているのだった。ただ、暴発して出た個性が再発するわけでもない上、単純な怒りも込みで攻撃しているかのような爆轟を見かねて、オールマイトは止めに入るのだった。
授業終了直後、この特訓が始まる前、オールマイトと爆轟、緑谷は訓練中に暴発した『ワン・フォー・オール』について情報を共有していた。
『ワン・フォー・オール空間』の中で緑谷が出会ったスキンヘッドの大男・鞭の個性の主はオールマイトですら知らない人物であり、『ワン・フォー・オール空間』のことも、オールマイトは何も知らなかった。
そんな折に、爆轟は他人の個性も使えるようになる『ワン・フォー・オール』の特性を『オール・フォー・ワン』に似てるのではないかと言い放つのだった。
特訓終了後、二人が寮に戻ると、そこには一部B組のメンバーが来ており、先の合同訓練での健闘をたたえ合っていたのだった。
轟は帰ってきた緑谷に、個性を2つ以上持ち合わせているのかと尋ねるが、緑谷は適当に応用だとはぐらかす。複数個性持ちと言うことで親近感を感じたり、体育祭の時やっぱり隠し玉があったんじゃないかと言う轟だったが、深くは追及してこなかった。
しかし、轟も緑谷や今回の訓練に触発された一人だった。父親にひそかに連絡を取り、力の使い方について教えを乞うていた。
翌日。
緑谷は相澤に呼び出された物間と共に、雄英で保護されている少女・壊理のところへ向かうのだった。壊理に触れ、個性をコピーして見る物間だったが、物間は角が生えるだけで、時間を巻き戻す個性までは使えず、またも「スカ」というのだった。
「スカ」と言う言葉が気になった緑谷が物間に詳細を尋ねる。物間曰く、物間のコピーは個性を瞬間的にコピーするものである。個性の中でも何らかの形で個性のエネルギーを体内にストックしそれを放出するタイプの個性は、物間がそのエネルギーのコピーまではできないため、「スカ」のタイプなのだということだった。
だから、チャージアンドストックの『ワン・フォー・オール』もコピーしても使えなかったのだと物間は語るのだった。
相澤の「物間にコピーさせて個性の使い方を指南させる」と言う目論見は失敗してしまう。そのことに負い目を感じ、迷惑をかけてしまったことを壊理は詫びる。
しかし、緑谷は壊理に「個性は使い方次第。悪い個性なんてない」と諭すのだった。
それは、昨日、爆轟に言われた「『オール・フォー・ワン』と同じ」と言う発言に対する、緑谷なりの回答でもあったのだった。
一方、A組の面々は一部を除いて週末を寮でダラダラと過ごしていた。その一部とは、仮免補講・最終試験に参加している爆轟と轟だった。二人の合格を確信していたA組は帰って来たら祝ってやるかムードになってくる。
その補講の帰り、轟と爆轟は途中で犯罪集団に出くわす。引率のオールマイトが止めるのも聞かず、オールマイトに避難誘導を任せると、二人はさっそく仮免の特権で犯罪集団を絞め上げてしまうのだった。
置きの一回
今回もさほどストーリ的な進展もなく、ドンパチやる見せ場も少なめと言ったところでした。終盤の轟と爆轟の戦闘が「ドンパチ」に当たるのかもしれませんが、やや間延びしていて、『ヒロアカ』の持ち味「スカッとした戦闘シーン」といった感じではありませんでした。
訓練編の直後であり、いきなりシナリオが本格始動するのには厳しいのかもしれませんが、なかなか本編の進行が無いのには少しだけじれったさも感じました。
(ストーリー的盛り上がりが無いと感想が書きづらいという理由だけではない)
次回もギャグパート・クリスマス会なので、まだまだ置きが続きます。このままギャグパートで1クール終わって、そのままアニメ終わりとなったら悲しいです。
ただ、シーズン4の終盤はかなり思わせぶりなところで終わってしまったので、シーズン5もまた思わせぶりなところで切ってしまうのかもしれません。それはそれで腹が立ちます。
まだ1クールと決まったわけではないので、2クール目があると期待しながら待っていたいと思います。
そもそも、アニメが2クールやるのかやらないのか、事前に分かる情報と言うのはないのでしょうか。
物間と壊理のエピソードは好き
ただ、進行の遅さにじれったさを感じている一方で、物間と壊理のエピソードはなんとなく好きでした。物事や論理の流れに隙が無いのが好きなので、こうしてとりあえず試してみてダメだったというエピソードは嫌いではありません。
緑谷の分析的なところにも表れているのですが、『ヒロアカ』の持ち味の一つはこうしたロジックがしっかりしているようなところにある気がするので、そこのロジックをきちんと詰めてくれたこのシーンについては好印象でした。
勿論、そういったロジックを詰めようとすればするほど、物語の進行が遅くなってしまい、じれったさを感じるというジレンマはあります。ただ、今回はそもそも「置きの一回」であることはなんとなく察しがついていたので、気になりませんでした。
戦闘訓練の間中ずっと嫌な奴を張り続けていた物間が、なんだかんだ言ってやっぱりヒーローらしい、人助けが好きな一面もあるのだということも強調される機会となり、良いシーンだったと思います。
そう考えると、私は単純に物間好きなのかもしれません。
終わりに
置きの一回として、ストーリーの進行はない物の、それでもロジックを詰めていくヒロアカらしさがある一回でした。
次回もギャグパートですから、肩の力抜いてみていこうと思います。