と、書き出してみたのですが、現実はそう甘くはありませんでした。
届いたのは以下のようなものでした。
(名前の部分は加工済み、折り目がついているのはご愛敬ということで)
見ての通り、領収書と書かれています。
しかし、さすがに「寄付の領収書」と書くのは余りにも生々しいというか、「それってて本当に寄付した結果なの?」と自分でも思えたので、あくまで『お礼』ということにしました。
寄付の動機
人間、他人に奉仕していると自己肯定感が高まる、ということを聞いたことがありました。ですが、ボランティアする体力も時間もないので、とりあえず、寄付だけでも定期的に続けていこうとおもっていました。
いつか寄付しよう、と思っていたところから、実際に寄付を始めたのは2020年7月からでした。
2020年の7月に寄付を始めたのは、仕事での行き詰まりからでした。仕事でやっていける自信がなくなり、せめて、何らかの形で自身が欲しいと切望した私は、寄付をすることで、自己肯定感を高めようと思ったのでした。
寄付先は従前から思い描いていた通りの教育系の機関である、日本学生支援機構にしました。
なぜ教育系の機関に寄付をしようかと思ったかといえば、それが巡り巡って自分の得にもなると思ったからという、若干打算的な理由からでした。
私の理想としてはこうです。
若い世代が質の高い教育を受けてくれれば、日本社会の生産性は高まります。それによって、 日本の経済が活性化し、金融投資を行っている私にも、メリットがあるのではないか。という感じです。
やや遠回りなのですが、私の思想は「多くの人が幸せになることで回りまわって自分のところにも幸せが来る」というものです。
もちろん、ことがそう単純に行かないことは分かっています。市場に流通するお金の総量が増えたからといっても、皆がお金持ちになれるわけではありません。ある程度の介入がないと、現在の資本主義では、お金持ちはさらにお金を増やし、貧乏人はさらに貧乏になっていきます。
それと同じように社会全体の幸福が(計量できるとして)、増加したからといっても、一部の幸福な人に幸福が集中してしまう可能性もあります。なので、私の理想は楽観的としか言いようがありませんが、それでも、私としては行動しないよりは、ましかと思っています。
学生支援機構に寄付すれば、教育の質が高くなるかといわれると、私としてもそこは疑問視しています。(というかそんなことはあり得ないと思っています)
むしろ、もっと先駆的な教育スタイルやサービスを提供しようとしている会社などに投資する方が効率がいいとも考えられます。
ただ、出来る事なら、全国民が平等に受けられる機会のあるサービスに寄付をしたいとかんがえていたので、日本学生支援機構に寄付を始めたのでした。
学生支援機構に寄付を続けるとしても、よりよいと思える他の機関に鞍替えるする可能性は十分高いです。
また、本当であれば、UNICEFやWFPなどの方が同じ金額でも効率よく使ってくれるかもしれません。ただ、国際機関に寄付してしまうと、そのリターンが社会を通じて自分のところに還元されるまで、時間がかかり過ぎてしまう気がしたので、そう言った機関に寄付をしようとは思わなかったのです。
本当に打算的で、損得で寄付をしているということがよくわかっていただけると思います。
もう一つの目的、自己肯定感については微妙なところです。お礼をされたかったわけではないのですが、手続き上必要な領収書を送ってそれだけ、というのはあんまりな態度という感じで、「良い事をしたな」という実感はあまり得られませんでした。
なぜ領収書か
ここからは少しお金のお勉強になります。
「お礼」が来るならまだしも、生々しくも「領収書」が届いたのには理由があります。それは、確定申告の為です。
確定申告は前年の収支を報告し、支払うべき税金を申告する手続きです。期間は2月16日から3月15日の間です。
寄付を行った場合、その寄付の金額は『寄付金控除』として、税の軽減を受けられます。正確には税額控除、所得控除のうち有利な方を選択できるとされていますが、ここでは詳細は省略します。
一般的な会社員の場合は、確定申告を行わなくとも構いません。それは、会社が年末調整という形で確定申告を代行してくれているからです。
その寄付金控除は、一部の例外を除いて、確定申告を行わないと受けられません。その一部の例外とは、ふるさと納税のワンストップ特例というものですが、これについても説明を省略します。
ただし、寄付金控除を受けるためには、「寄付をした」という証拠が必要になるため、その証拠として「領収書」を発行したのです。
実際、届いたのは1月下旬で、確定申告の準備を始めるのにはちょうどいい時期と言っていいでしょう。
ただ、私は面倒なので、今年は確定申告をするつもりはありません。(これを言うと、昨年の私の副業の収益がとある額に達していないことがバレます)
終わりに
さて、今回は寄付を続けてきた日本学生支援機構から遅れたて来た手紙の内容についてでした。
封筒を受け取った時には少しワクワクした物ですが、開けてみるとちょっとがっかりでした。
ただ、だからといって寄付を辞めるつもりもありません。寄付は淡々と続けていこうと思っています。
質の高い教育を受けることができれば、今の私の様に、「会社の仕事ができない」と苦しむ人が減ってくれるのではないかと淡い期待を抱いています。
なので、教育関係への寄付は、淡々と続けていきたいと思います。そして、自分と同じような形で苦しむ人が一人でも減ってくれることを願って、そのほか、自分にできることを淡々と積み上げていこうと思っています。