あらすじ
シエ・リェン、通称・太子は天に戻る『飛翔』の折、天の建造物を破壊してしまう。この咎を弁償すべく、リー・ウェンの気遣いもあって、他の神官たちの沙汰にかけられるも、参加者のうちの一人の事情を良く知らぬ者によって、リー・ウェンの思い通りとはいかず、太子は改めて天を追放され、地上にて功徳を積むこととなった。
その第一歩として、とある山村で次々と花嫁を襲う『鬼花婿』の捕獲を命じられる。地上に降りた太子はその山村で茶屋に入る。茶屋で『鬼花婿』について尋ねるも、店主は災いを避けんと、答えてくれなかった。
太子が途方に暮れていると、光の蝶が飛んでくる。その光の蝶を差し向けたのはリー・ウェンだった。彼女は太子の助けにと、若い二人の神官を遣わしたという。
太子が席をみやると、二人の神官・ナンフォンとフーヤオが席に着いていた。二人は太子のことを良く知らないうえ、別の将軍に仕える若き神官であり、互いにどことなくいがみ合いはじめた。
またも途方に暮れていると、荒くれ者たちの担ぐ嫁入の輿が現れる。すると、一人の少女が腰に駆け寄って、輿の中の女性に説得を始める。彼女曰く、輿の中の女性は『鬼花婿』の供物として差し出されるのだという。返事をしない輿の中を不審がって少女が布を開けると、中から人形の首が出てきた。輿を担ぐ男たちは人形を使って『鬼花婿』を狩ろうとしていたのだった。
しかし、今度は少女はそんなことをするのは止めろと言う。荒くれ者たちを率いている少年が苛立ったように少女を突きとばすと、誰よりも早く太子が動き出す。
そして、即座に少年を吹き飛ばしてしまう。荒くれ者たちが剣を抜く。その時、ナンフォンが茶屋の柱に衝撃を加え、傍らの木を切り落としてしまう。この術に恐れをなした荒くれ者たちは一目散に退散する。
太子は裾が破れて足が見えている少女に布をかけてやろうと服を脱ぐが、それによって卑猥な人間と思われ、太子は叩かれてしまう。
さらに、先ほどの衝撃で茶屋の門が崩れてしまう。
そんなこんなで散々な目にあいつつも、茶屋に弁償しながら、太子は廟の場所を聞く。すると、太子が思っていたのとは違う廟の場所を教えられる。
本来、この地域を治める神の廟があるはずが、別の神の廟があるのだった。
しかし、廟自体は店主の言われたとおりの場所にあった。ナンフォンとフーヤオはまたも互いの将軍を貶し合いながら大喧嘩を始めるが、太子はそれを制止する。
そして、若き神官の法力を借りて、太子はリーウェンに通信を試みる。リーウェンからは100年以上前から『鬼花婿』が花嫁を襲い続けていることが伝えられ、太子からは管轄の異なるはずの神の廟があることが伝えられた。
そして、『鬼花婿』と出会うためにと太子を女装させるも、そのあまりに化粧の濃すぎる様に二人の神官は口をそろえて不細工だという始末。しかし、昨日助けた少女が食べ物を持ってきてくれ、その上、太子の化粧まで整えてくれたおかげで、何とかみられる程度にはなった。
その後、村で男たちを雇い、輿を出す。その背後を賞金狙いの荒くれ者たちが追いかける。
軽口をたたいていたのもつかの間、太子は笑い声が聞こえるようになり、更に歌も聞こえるようになった。警戒を強める神官たちだったが、狼の出現に戸惑う。しかし、戸惑いながらも二人は狼を切り伏せていく。
しかし、狼に引き続いて動く死人が現れると形勢が一転、さらに状況が悪化する。太子はこの状況に、自らの帯布を解いて、法力もなしにそれを飛ばし、屍たちを切り伏せる。
そして、太子は二人に村で雇った男たちの撤退させるようにいい、太子は自ら屍たちを処理し始めた。最初は口答えする二人だったが、それでも太子の命に従い、撤退する。
太子が屍を倒しきった頃、謎の男が現れる。そして、太子は謎の男の手を握ると、そのまま男の導くままに、連れ去られてしまう。
雰囲気は上々
何よりも本作を語る上で、雰囲気はとても良いという点は外せないでしょう。
カメラを回転させる演出などは現代日本アニメでは(コストの都合上)滅多に使われない印象があり、それを(オンライン配信とはいえ)週刊放送でやってくれるのは嬉しい物があります。
画面の塗もきれいで、グラデーションで表現される光の感じはとてもよく感じました。
冒頭で太子の破壊を説明する際にはリズミカルにシーンが進み、演出面にとりわけ気が配られていることがよくわかりました。
以上のことから、かなり雰囲気が良い作品だと感じました。常にぬるぬる動き続けるというわけでもなく、口の動きについては若干残念さは残りましたが、それはそれ以外の要素が素晴らしく、期待水準が上がってしまった結果だと思っています。
それだけ、この作品の演出面には高い評価を送っていいと思っております。
30分だが情報量は少な目
オンライン配信を前提とした作品の為か、CMでカットされる分もなく、第1話は33分ありました。
それだけたっぷりあるのは良い事なのですが、情報量や情報の整理については十分に行き届いていた感じはしませんでした。日本人だと、中国系の名前を憶えづらいという理由もあって、若干、理解が遅れてしまう部分があります。
更に、神のシステムについてもあまり説明がありませんでした。なんとなく、修行と功徳を積み、天帝に認められることで、神に召し上げられるということは分かったのですが、もっと世界観を説明してくれてもいいような気がしました。
演出面に力を割いた分、雰囲気や画面作りに注力し、情報の整理と言った部分までは手が回らなかったのかな、とは思いました。
それでも、まだ1話目ですし、今後徐々に説明されて行くことを期待して視聴してもいいのかなと思っています。
終わりに
画面の雰囲気の良さが何よりも良いアニメでした。所々に入れられるギャグシーンも心和ませる雰囲気があり、良かったです。
ちょっと雰囲気重視すぎて、説明や状況の描写がおざなりになっているようにも感じましたが、ひとまず情報は逐次追加されて行くものだと信じて視聴をしていこうと思います。