本を読んでも役に立たないと思った人は多いのではないでしょうか。むしろ、本を読んだだけで、身に着くということは稀でしょう。
そんなときにどうすればいいかというのは非常に単純です。
メモを取りましょう
身につかないのは内容を自分で解釈できていないから
人間は嫌でも共感してしまう生き物です。他人から一方的に情報を与えられているとき、多くはその他人に共感してしまっています。共感した結果「相手が分かっていることは、自分も分かっている」と思い込んでしまうような状態です。
堂々と自信のある話し方だとその共感が加速します。
逆に、恥ずかしがっていたり、緊張している人の話を聞くと、こっちも緊張してしまいます。
本や文章の場合は、「~だと思う」とか「なんじゃないか」のような弱い表現をしていると、なんだか信用できない気がしてきます。これもある意味、共感だと言えます。作者の弱腰に共感してしまい、自分も不安を感じるようになってきてしまうという訳です。
しかし、共感したからと言って、同じことができるかと言うとそれは別です。
「私はできる」と思っている他人に共感した結果、自分もできるという気がするだけです。
その錯覚のせいで、人間はまともに学習できていないことをさも学習できたように感じてしまうのです。
授業中あれだけ分かった気がしたのに、自分で復習しようとすると全然だめで、気が滅入ったり、イライラしたりして勉強が嫌になった人は少なくないはずです。(私もその一人です)
それを避けるためには、自分でそれができるかどうか、分かっているかどうかをアウトプットするしかありません。
「他人に教えると学習効率があがる」などと言いますが、他人に教える前に、まず自分に教えてください。多くの場合、勉強ができない人は、初めてのアウトプットの機会が試験で、そのせいでボロボロになってしまいます。
だからこそ、メモを取るというアウトプットの行為の重要性が高まってくるのです。(やっと本の話に戻ってきましたね)
メモといっても、ただメモ帳だけではありません。ノートやノートパッドの束、或いはwordやopen officeでもいいです。メモを取るという行為によって得られるメリットは、パソコンか紙かの違いに比べれば、圧倒的に大きいです。なので、グダグダ言わずにその辺の使いやすい物を使えばいいのです。
メモを取り慣れてから、より自分に合ったものを追求しましょう。
Wordと紙とではメモの取り方も変わってくるでしょうが、変に統一した方法を目指すよりも、その機能に合わせて使いやすいように使えばいいと思っています。
メモの取り方に細かいルールは要りません。むしろ、細かいルールを最初に決めてしまうと、それに対応できなくなった不測の事態の時にイライラします。そんなこと考えずに、成り行き任せでメモを取っても構わないと思います。
話の筋を全てメモする必要はなく、用語とその解説や機能などをまとめていくだけでもいいのではないでしょうか。
とはいえ、何かを調べながら本を読むならば、ほかに描く者が必要だというのは絶対です。そうでなければフェルマーの様に「この余白は小さすぎる」ということになります。(このギャグが分からなかった人はフェルマーの最終定理(wikipedia)参照)
ですから、細かいことにはこだわらず、とにかくメモを取ることが大事です。
よく分からないところのフィードバックとなる
メモを取るメリットの一つには、本に書かれていないことを補えると言う物があります。
どんな初心者向きと謳っている本でも、(専門書であれば特に)分かりづらい用語が出てきたりします。逆に、難しい用語は出てこなくとも、その説明に納得がいかなくて、理解が進まないということもあるでしょう。
そんなときには、さっさとググってしまうことが大事です。
しかし、もし、本を読んでいるときに、分からない言葉が出てきて、それを調べていると
- 読んでいる本の内容
- 調べた単語の意味
を同時に脳内で処理しないといけません。
偉い人が良くないと言っている「マルチタスク」になってしまう訳です。
単語の意味を辞書で調べるくらいなら、説明も短く済むので、脳に大した負担を与えずに済むでしょう。(今時そんな人も少ないでしょうけど)
本を読んでいるときがいつもメモが取れる環境とは限りません。電車の中で読んだり、ちょっとした暇つぶしで読むということもあるでしょう。そういう場合には、家に帰ってから、もう一度読み直すようにしています。特に、本気で勉強したいときには間違いなくそうするべきです。
勿論、簡単に理解できる程度の話であればいいのですが、そうでない場合には、復讐も兼ねて読み直してください。電車の中で本気で集中できるはずは(私は)あり得ないと思っていますから。
本は情報量が多い物
サイトの記事はほとんどが1つの内容について語られているものです。ただ一つの情報を抜き出し終わったら、読むのを辞めてしまう人は多いのではないでしょうか。
しかし、本はいくつかの内容をまとめているものがほとんどです。内容というものがどのくらいの大きさのブロックで分割されるものかは人によって違ってくるでしょう。
そうなってくると、どうしても訳の分からない言葉を放置していくと、あっという間にわけのわからない言葉だらけになって、きちんと読み進めていくことが難しくなってしまいます。
そのため、どうしても、途中で本を置いて調べるという行為の重要性は高いのです。サイトの場合は「この言葉の説明はこちらの記事を」と言うように、リンクが張ってあって、分からない言葉の意味にすぐにアクセスできます。
しかし、書籍はそうもいきません。本とは別に、調べる物が必要になってきて手間がかかります。そのため、本を読むというのは、サイトの記事を読むこと以上に、難しい行為と言えるかもしれません。
それをサポートしてくれるのが、メモの存在と言う訳です。
マーカーVSメモ
メモを取る代わりに、テキストにマーカーを引けばいいという人もいるでしょう。しかし、教科書にマーカーをひく勉強法は超絶無駄であるというような研究があったそうです。
マーカーを引いただけでは、正直ちょっと注意深く教科書に目を通しただけで、大して頭に入ってこないでしょう。下手をすれば、どこからどこまでマーカーを引くかばかりに注力してしまい、文章の意味など細かく見ていないなんてこともあるかもしれません。
これでは何のためにマーカーを引いているかわかりません。メモを取った方が圧倒的に勉強になります。あなたの頭にもしっかり定着するでしょう。
しかし、一々悠長にメモを取っていられない状況というのもあります。
例えば、講義中などです。「ちょっと待って」とは言えない状況では、テキストにマーカーを引くしかないという状況もあるでしょう。なので、マーカーを引くことを、私は全否定はしません。せめてどこが大事なのかをはっきりさせるだけでも重要な行為ではります。
ただし、それは、その後に続く復習の下準備の為です。復習するときにどこを抽出すれば効率がいいのかを示すためのマーカーです。
マーカーで示すだけで満足してしまっては、失敗の原因となってしまいます。
まとめ
勉強のためにはまずはメモを取る。ノートならなお結構です。
そういう事が今回の要点でしたが、いかがでしたか。
分からない言葉をメモし、それについて調べた物を記録するだけでも、非常に強力な効果を発揮するはずです。
ガッツリ本編の要約をメモしろと言う訳ではありません。ですから、気軽に取り組んで、勉強の効率を上げてみてください。